あの場所

最後にブログを書いてから2ヶ月が経ってた。8月から始まった配信ツアーは、残り1本になってた。毎日毎日テレビやネットで何百人ですって言われて、これは良くてこれはダメでって、これは正しくてこれは正しくなくてって、結局最後は自分で決めるしかなくて、この判断は、この天秤のかけ方は、って毎度自問自答の繰り返しで、決めたら決めたで風向きは良くなくて、逆に、埃ひとつも舞い上がることのないくらい無風の時もあって、否定も肯定もされず金と時間が流れていって、そこにあったはずの気持ちや希望までゆっくり消えていくのをただボーッと見送るしかなくて。

俺に何ができるだろうか。

この時代にこの時期に、広い世界の中にちっぽけに存在している俺が今やってることや決めたことが、誰かにとって闇や絶望になるのなら、それはどんなウィルスよりもウィルスだ。ワクチンの保管場所も知っている、すぐに打たないといけない。だけどどうすればいいんだ、打ち方がわからない。だから昨日は歩いた。寒空の下、同じ曲だけ聴き続けて歩いた。何十回。「誰かのことを歌えるように、俺自身のために歌う」ってことは、光と希望じゃないと意味がない。そんなことをずっと考えてる。あの人ならどんな言葉とメロディで歌うだろうか、いや待て、俺はあの人じゃない、自分で探せ。だけど会いたい人にはすぐ会えない。言葉が冬眠しそう。猫がニャーと鳴きながら俺の横で寝る。なるほど、トイレが小さいんだな、考えないとな。すくすくと育てよ、俺も頑張るよ。


全国配信ワンマンツアー「少年少女の灯火」は、12月19日にファイナルを迎える。実際に各地に行くことはできないと判断し、新たに考えて8月から決行してきたこのツアー。初日だった札幌Sound Lab mole編から数えて、12本、すべて札幌Sound Lab moleを使わせてもらってやってきた。「福岡ー!」「根室ー!」と、各公演ひとつの場所に思いを馳せやってきた。そこにお客さんは1人もいないが、画面の向こうには必ずいると信じてやってきた。1500円というチケット代、こんな時代のこのやり方で、今までみたいにその日だけの物語を見せたいと必死だった。絶望の中の光を、暗闇の中の光を、見てほしかったし感じてほしかった。それができる自信があった。成長していくみんなを、自慢したかった。そんな思いで、先日のセミファイナル仙台編まで駆けてきた。


生ライブを生配信。俺たちのステージに収録部分など一切ない。収録してから音をミックスし直して映像もしっかり繋げて、とかそんなことはできない。だけど映像も音も演出も、とことん拘ってきた。やれる最大で挑むしかなかったし、その瞬間を信じてやってきた。

照明はアニーさん、音響は松本さん。この2人がいればとりあえず大丈夫、という2人だ。このツアー中、色んなことを相談して要求してすり合わせてきた。カメラは郁人とはなちゃん、そしてみほさんという3人。台本はない、冗談じゃなく俺たちは心で繋がっている。スイッチングは辻、どう考えても辻しかいなかった。3人のカメラと辻のスイッチングは言葉にはできない呼吸みたいなのがある。配信する上で大事な諸々はmoleの大嶋さんの力をめちゃくちゃ借りている。全手動で全曲歌詞の字幕を出してくれているのは元COLONYで長いこと働いてた神田ちゃん。俺の即興にも変わっていくテンポにも飛ばしたセットリストにもぐしゃぐしゃな歌い方にも、必死についてきてくれている。moleのたけちゃんが沢山サポートしてくれて、The Floorのヨウジが袖にいてくれている。福岡さんが色々見渡している。シュンと三角とポルノがどんどんかっこよくなっていく。俺はずっと、ただひたすらにずっと、全員に口出しをしている。延々と、口出しだけし続けている。


視聴するのにチケット代を払ってもらっているけど、実際にお客さんが会場に来ることはないから、発券という作業もましてや受付で半券をちぎったりなどということもない。だけどせめてと、チケットの画像を各公演用意していた。視聴チケットを購入してくれた方それぞれが保存するでもいいし、プリントするでもいいし、何にもならないけどせめて少しでも実際のライブや実際のツアーに行ってると思ってもらいたくて画像を用意していた。ツイッタ―などにそのチケット画像を上げてくれている人の投稿を見つけては、こみ上げるものがあった。


残り1公演、ファイナルの12月19日札幌KLUB COUNTER ACTION編は、無料にした。ボタン一つで見れる、無料。THE BOYS&GIRLSのYouTubeチャンネルから見れるように今進めている。無料なので、この公演だけ「チケット購入」のページは存在しない。今までは見てくれる人にチケット画像を提示して、それを持ってお客さんは見てくれていた。でも今回はそれがない。それがないから、逆に、チケットを作ってもらうことにした。


手書きでもパソコンとかででもなんでもいいんだけど、ファイナル札幌KLUB COUNTER ACTION編のチケットを作ってください。無理して派手にする必要はないです。黒ペンで、よくあるシンプルなチケットの字面だけ真似するとかでも大歓迎。とにかく「あなた」の作ったチケットがほしいです。

できたら、そのチケットを携帯とかで写真に撮って、28日土曜日の正午12:00以降にツイッタ―に投稿してください。「#少年少女の灯火」という文もその際書いてください。そのチケット画像をプリントアウトして、ファイナル当日カウンターアクションに僕が持っていきます。あなたの意志が詰まってるチケットはちゃんと会場に持ってくので、あとはあなたの意思でライブを見てください。これが少年少女の灯火というツアーの、というか、「無観客生配信ライブ」と言われるものの、真骨頂のような気がしています。

全国から沢山のチケットが届くといいなと思っています。そして、沢山の人に見てもらいたいなと思っています。


まだ、なんにも終わってない。

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