ノロシヲアゲロ

自分らの唯一の企画「ノロシヲアゲロ」について書くので、読んでね～。


2012年4月末に初めて開催した自主企画「ノロシヲアゲロ」。「札幌の方角、ボイガルが何か始めるぞ」って、どこからでも気づくような狼煙を上げたいと思って、始めた。それだけ。
ライブハウスに来たことない人でも楽しめるようなとか、ひとりでも多くの人に楽しんでもらえるようなとか、自分の好きなアーティストを知ってほしいとか、そんな優しい気持ちは俺は全然なかった気がする。ひどい…。

でも、とにかく狼煙を上げたかった。来る人は来るだろうし、来ない人は来ない。でも来たら、その人もきっと狼煙を上げるだろうって、そんな夜にはしたかった。


1回目は札幌moleでツーデイズ。2回目は2012年8月に札幌COLONYでツーデイズでやった。今でこそ札幌はイベントをやる人はたくさん増えて、お客さん主催のイベントも増えて、ツーデイズだったりとか、本州のバンドを呼んだりとか、増えた。でもあの頃はまだバンド主催のイベントでツーデイズ企画とか、そういうのは(あくまでも俺の周りには)あまりなかった。


一回目も、二回目も、札幌じゃない街からたくさんの人が来てくれた。狼煙は確実に上がり始めた。


それから2013年5月は初めてワンマンをやった。ノロシヲアゲロもやろうと思ったけど、何かやれなかった。やるところまでは気持ちも動きも達することがなかった。やるからには、「札幌の方角、またボイガルが何か始めるぞ」ってならないといけなかった。

というのも、さっきも書いたけど企画イベントというのはこの二年でめちゃめちゃ増えて、俺たちも色んなイベント出してもらえて、出るイベント出るイベントすごい強力で、変な気持ちになっちゃったからってのもある。
毎月本州にいって色んなイベント出て、札幌でも色んなイベント誘われて、何か自分らで企画やる必要もなくて(やるのは簡単)、やったらやったでアーティストは被るだろうしってなって、誰の企画だかわからなくなるんじゃないかってくらいになって、ノロシヲアゲロをやるのは今じゃないっていうのがここ二年。

飛び交うイベント達がケンカしまくってるのがとても引っ掛かってた。
あのバンドがあのバンド呼んだから私はこのバンド呼ぶ、誰も呼ばないから私が呼ぶ、だったら私は…みたいな風に俺には見えてしまう時があった。ふとした時に。実際はそんなことないんだろうけど、でも、そう見えてしまう時があるのは確かだった。


9/21に心斎橋であったイベントに出たとき、主催の子たちに「私たちの名前は出さないけど大切な一日にしたい」と誘われててとってもグッときたのを覚えてる。結局最後までそのイベントの主催は誰なのか一切公表されなかった。名前出さないのが良くて、名前出したらダメなのかとかそういう話ではない。ただ、そのイベントの意味がしっかりと伝わってきてたから感動したのだ。

あの子たちもお客さんも、あの日関わった人たちは全員狼煙をあげてた。



お客さんの数とか規模とか出演者が豪華とか、大事だけど、本当の意味で戦うところはそこじゃないっていうイベントは、映画のような夜になる。




去年の9月、「すべてはここから」を北海道限定で出してそのレコ発ツアーが終わったあと、「ノロシヲアゲロ」をやろうと思った。もう、今しかないと思った。歩く日々ソングの発売が決まって、レコ発ツアーは組まないけど実質そのファイナルという意味も込めてノロシヲアゲロ3をやろうと決めた。


「札幌の方角、またボイガルが何か始めるぞ」って。


二年半前とは考えも少し変わった。
今回は、本当にひとりでも多くの人に心の底から来てほしいと思ってる。というのも、一緒に狼煙を上げたいのだ。この日集まって、一緒に動き始めてほしいのだ。

共演者たちは、今まで生きてきた中で今夜一緒に狼煙を上げてくれないかって人たち。で、ここからは別々の道だ、またなって言いたい人たちにした。よし、これから行くぞってのはお客さんへの思い。共演者たちへは、じゃあまたどこかで、またいつか共演するときはきっと狼煙がどっかであがるって信じてるよってくらいの、本当の気持ち。





ノロシヲアゲロ３は、
2月28日札幌COLONY(札幌編)、3月28日下北沢BASEMENT BAR(東京編)の２日間でやります。一ヶ月またぐけど、２日間。

2月28日の札幌の日を、11/21の札幌COLONYから始まった「歩く日々ソングツアー」のファイナルってことにして、今は歩いてる。今、終わりに向かって歩いて、終わりに向かって歌ってる。

それが終わる日に、狼煙を上げるのだ。

このバンドで初めてライブをした2011年3月21日と同じ札幌COLONYで、この歩く日々ソングツアーの初日と同じ札幌COLONYで、すべて終わらせて、そして今一度、狼煙を上げるのだ。


そして3月28日下北沢は歩く日々ソングツアーとすれば裏ファイナル。でも何より札幌以外の街でノロシヲアゲロを掲げるのは初めてだからその意味の方が強い。
「東京の方角、札幌のボイガルがまた何か始めるぞ」って、みんなは言うんだ。

そのどこまでも高く上がった狼煙を俺たちは見ながら、強く拳を握ったまま、札幌に帰る。




ただ事じゃないのはわかってるんだけど、でもそれでも越えてきてくれませんか。

俺たちにとって、本当に大切なイベントです。