いつかまた会えるその日まで

昨日、2015年最後のボロドンバーンの放送だった。んで、昨日のボロドンバーンが、おーちゃんとの最後の仕事だった。

2014年8月に俺たちは初めてのシングル「すべてはここから」をリリースしたんだけど、それに伴って春の手前くらいだったかな、札幌で何か動くときはおーちゃんがついて来てくれるようになった。ラジオだったり、お店挨拶回りだったり、取材だったり、色んな話を持って来てくれたりもした。メールにはいつも最後に風車がついていた。2014年6月、すべてはここからのMVを撮影した時も朝4時とかに一緒に集合して俺たちが演奏シーンを街のど真ん中で撮影してる間にヤンキーに何か怒られたりしていた。ピンクの自転車に乗っていて、ころころ髪型や髪色が変わっていた。おしゃれでかわいい人だったけど、強くたくましい人で、ビールをよく飲んでいた。2014年8月、ミュージックジャパンの収録がNHKホールであったときもわざわざ会場に来てくれて、とってもよかったよと言ってくれた。ジョインのときも詰め詰めのスケジュールの中ばっちりサポートしてくれた。母さんみたいだった。

今月の16日に、いつものようにボロドンバーンの生放送で局に行くと打ち合わせの前にいきなり「実は、今月いっぱいでお別れなのでござる。」とか言い出して、なぬ？ってなった。さみしいなあと、とってもシンプルに思った。

でも、そう、俺たちはあすなろ。

状況はかわってゆくし、変わらずに変わり続けるってことは、こういうことでもあるんだって思った。

昨日放送が終わって、そのままノースで、チームボロドンでビールをたくさん飲んだ。2015年お疲れさまというよりも、おーちゃんとの「とりあえず」のお別れ会だった。ずっと笑っていたし、トモヤさんのふざけたギャグに対して「ばか、やめなさい」と、いつものようにつっこんでいた。これまでの活動においてこんなに長くこの街で俺たちのために頑張ってくれた人はもちろんおーちゃんだけだったから、初めての感情になった。ボス達が東京にいるから、この街ではいつもおーちゃんがいてくれたから。ノースの中で、ましてやおーちゃんの前で泣くのはあまりにもかっこわるいと思ったので、俺は短時間でめっちゃ飲んでずっとへらへらしていようと思っていた。

終電の時間が迫り、みんなでノースをでた。カイトとトモヤさんはそこでバイバイ。ケントボーイズと俺とおーちゃんで札幌駅北口から中に入った。ケントは地下鉄の最終が迫っていて気づいたらいなかった。西改札の前で、「それじゃ、お元気で！」と言おうと思ったら涙がどばどば出てきた。「そ」の字すら言えず、涙がどばどば出てきた。忘年会帰りの人たちだろうか、西改札のあたりはたくさんの人がいた。でも俺は涙が止まらなかった。おーちゃんは「シンゴくん、泣かないの。きっとまた会える日がくるよ。私も頑張る。だから、歌えなくなる日がくるまでこの街で歌い続けてね。」と言って、俺の肩を少し叩いて、んじゃね！と改札をこえていった。俺は結局、「はい」「はい」「はい」としか言えなかった。この街は任せてください！とか、おーちゃんいなくてももう余裕です！とか、言えなかった。涙が止まらなくて、でも顔をあげたら、自分の涙の向こうに手をふるおーちゃんが見えた。だから、俺も手を振った。見えなくなって、涙は止まる気配なくて俺はその場に座り込んでしまっていた。すると駅員さんがきて、一言俺にこういった。

「駅、閉まります。」

ばか。駅員さんのばか。そこから何の涙なんだかわからない涙もでてきた。泣きながら北口からとりあえず外に出たら、ごんちゃーんって声がして、トモヤさんとカイトがいた。そしたらまた涙が止まらなくて、トモヤさんが「ほれ。」とビールをくれた。そしたらまた涙が止まらなくて、きづいたら二人はタクシーでどっか行っちゃって、俺はひとりになってべろべろになってて、気づいたらツイッターが凄いことになっていた。気づいたら布団の中で、朝だった。

今年はメジャーデビューをした。ライブをした。路上をした。新しい歌もできた。メンバーにひどいことを言った。悲しいこともあった。悲しませたこともあった。嬉しかったこともあった。泣いたこともあった。悔しかったことなんて数えきれないほどあった。

喉がダメになった時、ほんとにもう、何かどうしようってなった。

それでもやっぱり、ひとりじゃ何もできないんだなってことに気づくナトリウムランプの帰り道、俺はその都度、誰かに救われて生きてきた。たくさんのたった一人がいたから、この一年を生きてこれた。ブログのコメントも本当に勇気づけられたり救われたり。貰った手紙も全部読んでるし残っている。ノートもびっしりだ。

状況は変わってゆく。

それでも何かをいつだって信じている。ドラマを、物語を、瞬間を、温度を、景色を、音楽を。そしてそんな俺のことを信じている人がいる。自惚れなんかじゃなく、いる。それはこの一年でわかったことの一つなの。

一人に歌うことをやめない。約束をした。

そしてそれが本当の意味での全員に歌うということに繋がるということ、絶対あきらめない。

2016年なら、もういつ来てくれても構わない。

俺はもう少し、この街で歌い続けよう。

絶対に負けたくないけど心の底から向き合いたいと思える最高の対バン相手が、俺には各地にいるのだ。そして未だ見ぬ場所にいるはずなのだ。

それぞれの日々には、それぞれの道があって、それぞれのマインドがる。

いつかまたその先で、ともに最後は笑えますように。

2015年に最大の感謝と、2016年に夕暮れのメロディーを。

さあ、来るぜ。あなたが生きる今日。