最低な一日

昨日の話。開催ギリギリまで待ってはいたけど、どうやら今年も石狩での夏はお預けみたいで。ここ5年くらいは、「もう出るまで行かない」と決めてしまったライジングサン。まったくロックバンドなんてやらなきゃよかった。ということでライジングサンの日はガラ空きな僕。今年も例によって、豊平川でダラダラ過ごして最低な一日だなあってげらげら引きずるような日にしてやろうと思い、「最低な一日」というテーマで豊平川へ。しゅんたろうを誘ったんだけど、僕が当日の朝「諸用ができてしまって、いつ終わるかわからないので中止で」と一度ドタキャン。しかし昼過ぎに、これは16時なら開催できると気づき再度しゅんたろうに連絡、時すでに遅し、しゅんたろうは友達と夏の思い出へ。がーん。僕はひとりでもいいがとも思いつつ、きっと最低な一日にしたいなあって思ってる人は数人いるだろうと淡い期待を信じ、13時頃ツイッターへ。路上しますとも言わず、誰にも何にも期待せず最低な一日にしたい方は豊平川へと。16時に幌平橋について、川沿いを北上。遊具があるあたりで落ち着いて、ポツポツと人が集まってきた。ビールを買ってきてくれた人、グローブやボールを持ってきてくれた人、リンゴジュースやお茶や紙コップ持ってきてくれた人、お菓子やデザート持ってきてくれた人。ピクニックでもないし、キャンプでもなく、もちろん夏フェスには程遠く、じゃあこれ何だろうと考えた結果、やはり、最低な一日だねってことだった。快晴。もう、僕はこれだけでいい、今日はこれだけでいい、こんな最低な一日をこんな少人数で過ごせるのなら、もうなんだっていいやって心から思った。16時半頃、若いお母さんとお子さん二人がこちらに来た。お母さんが僕の方に来ると、「わ、本物だ〜…」なんて言ってて。そんなそんな。するとお母さんが、「○○ちゃん、知ってますか?わたし学生のとき同級生で」と教えてくれた。僕の地元の女の子とどうやらお友達だったらしく、こんなところでその子の名前聞くと思ってなかったから、びっくり。てことはお母さん、僕と同い年なんだねなんて言ってるうちに、お子さんふたり、走り回ってて。お姉ちゃん5歳、弟3歳。弟の方が、先に僕のところにきて、持ってきてたプリキュアを見せてくれた。これは星だよ、これはカバンだよ、これは星だよ、これは靴だよって。全部教えてくれて、ありがとうって伝えた。最初なかなか近づいてこなかったお姉ちゃんも、あっという間に僕のところにきて、そこから僕は彼女たちと、ずーっと遊んでいた。来てくれた10人くらいのみんなは、それをずっと見てた。もう、意味不明である。でもめちゃめちゃ楽しくて、ずっとこの時間続けばいいのになって思った。ジュースと紙コップを持ってきてくれた子がいたんだけど、子供たちにジュース飲ませるのに1つずつもらって。僕が紙コップにそれぞれの名前を書いて。そしたら「電話つくるー?」とか色々言い出して、紙コップでマラカスとか糸電話とか作りだして。そしたら奇跡的にその紙コップ持ってきてくれてた子が、ハサミとか糸とか全部持ってて(裁縫セットを持ってたらしい。めちゃすごい)、子供たちの夢全部叶う。めちゃめちゃ面白くて、めちゃめちゃ盛り上がった。糸電話をお姉ちゃんの方としてたとき、彼女は「もしもしー!しんちゃんですかー?!」と言ってきた。僕は「はい、しんちゃんですよー!」と答えた。すると「みんなで楽しくてとってもいいですねー!しんちゃん聞こえますかー?!」と言った。思わずぐっときちゃって、「そうですね、とってもいいですねー!」と僕は答えた。みんなで楽しくてとってもいいですねって、何て素敵な言葉なんだろうと思った。みんなで楽しくてとってもいいですねって、何て幸せなんだろうと思った。ひたすら遊んで、お母さんからそろそろ帰るよとの声がかかって。一緒に帰ろうと子供たちに誘われたもんだから、もちろん断る理由なんかないさ、幌平橋まで10分くらい一緒に帰った。お母さんは「すいません、ほんとに、みなさんの邪魔になってしまっていたら、ほんとにすいません」と何度も何度も僕に言う。いやいや何を言いますやら。僕は子供たちと遊ぶのがとても楽しくて、むしろ寂しくなっていたのは僕の方だった。幌平橋までの帰り道、弟のほうが「しんちゃんは、お肉すき?野菜はすきー?オムライスすきー?」と聞くから、全部大好きだよと答えたら、お姉ちゃんのほうが、卵焼きはすきー?と聞くから、大好きだよと答えた。「しんちゃんも、焼き肉してもいいー?オムライスたべさせてもいいー?」と子供たちがお母さん聞くから、僕は思わず泣きそうになった。うう。橋について、いよいよお別れだ、また遊ぼうと言うと、違う公園も行こうねーと誘ってくれた。うん、いつかまたなと、僕らは橋でお別れした。10分歩いた道を、今度は7分でひとりで戻る。みんなが待ってる。笑ってる。そこから暗くなるまでみんなで話した。で、帰った。

最低な一日だった。人はいくつになっても、さみしくなって、不安になって、悲しくなって、嬉しくなって、また会いたくなって、もう会いたくなくなって、どこかに行きたくなって、きっとまた会えるって信じて、勇気を出して手を振る。 







(撮影:アヅマヤコウジ)


必ず君たちをライジングサンに連れていく。

僕は最低な一日に、そう決めた。

コメント

  1. ほっこりしちゃいました。混ざりたいっ!シンゴさん、いいお父ちゃんになりそうですねえ。
    はやくまた、会えたらいいですね。

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    1. 7さん→
      いいお父ちゃんになりたいです、とっても

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  2. 最低な1日が最幸の1日になりましたね‼
    素敵な写真がたくさんで、ほっこりしました☆

    ライジング・・・
    連れてってくださいね‼

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  3. 最低な日。最高の日になりましたね。
    子供って素直で思った事、考えたことを伝えてくれるのが良いなと思いました。

    写真にやにやしちゃいます。
    いつかこの現場に行きたい。

    子供たちと晴れた日にまた遊べたら良いですね

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    1. ぽそみさん→
      大声で泣いて、大声で走って、グッと我慢する時もあって、学ぶことがたくさんです

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  4. ほんと、最低な一日だったね。
    ライジング出られるときは、再会。またみんなに会えた時点でもう、最高な一日がはじまるんだね。

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    1. もこさん→
      うん。楽しみなんだーとっても。

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