ドントクライ・サマー

14日、札幌moleでライブが終わりすぐに会場を出てひとり空港に向かった。6番線の快速エアポート、大体2両目の端っこだ。時間は止まらなくて、感情は走り回っていて、さっきまでのことと翌日のことを頭の中で整理しつつ、流れてく外を見てた。羽田空港に着陸して、京急線。川崎に行きやすいところに宿をとり、そこへ向かった。夜中1時前とかに到着。なぜかわからないけど「ワタナベ様、広めの部屋をご用意しました」とフロントの方に言われて謎の幸福感に包まれたのも束の間、何か動いた…?と思うと、ゴキブリくん。あんな間近で動いてるの初めて見て、怖くなってフロントの人に来てもらって2人で退治した。フロントの人は爆弾ジョニーの安田くんに似ていた。ちなみにホテルはめちゃめちゃ綺麗なとこだった。無事にゴキブリくんも退治して、頭はクラブチッタへ。今までのことや、これからのことを張り巡らせて、気づいたら5時になっていたから、焦って目を閉じた。

15日、10時前に川崎に向かう。快晴。僕にとっての甲子園、セッチューフリーサマーフェスタである。ずっとここで優勝というのをしたくて、この数年やってきた。優勝というのを知りたくて。全バンド見た。僕は知りたかった、一歩先に行ける僕に会いたかった。出番が近づいてきて、僕はカバンからとある物を出した。それは前の日札幌で、最終少女ひかさの正和さんが、2人きりの楽屋で、会場を出ようとする僕にくれたものだった。地下の楽屋には僕と正和さんしかいなくて、ライブ後に慌ただしく用意する僕に彼が「シンゴ。本当にヤバいと思った時に、これを開けろ。特別にやるよ」とそれをくれた。僕は「ありがとうございます、多分明日開けます」とその時伝えた。昨日のチッタ、銀杏BOYZのライブが終わったころ僕はそれを開けた。100円玉くらいの大きさのそれに、僕は勝手に彼の魂を宿し、開けた。よし、大丈夫だ、きっとうまくいく。何度も何度も言い聞かせていた。減ったフロア、それでも残ってる人は、僕らを信じてくれている。ライバルは多いが、目の前に敵はいない。ありがとう、ありがとう、ありがとうと、ひたすら思っていた。気づいたらライブは終わった。泣いてる人がいる、せっかくの夏なのに。周りのことなんか多分見えてなくてこっちを見て僕よりもぐしゃぐしゃな顔で歌っている女の子がいる、せっかくの夏なのに。僕らのTシャツ着て拳をあげてる人がいる、せっかくの夏なのに。きっと初見だろうけど一生懸命見てくれてる人がいる、せっかくの夏なのに。全国で顔を合わせてきた人がいる、せっかくの夏なのに。せっかくの夏だから、どうしようもない夏にしたかった。ただの一日は、こうやって過ぎてゆく。ステージ袖に、出演者がいる。千葉さんもいる。ライブが終わる。アンコールが来る。ステージに戻る。アンコール、セッチューフリーサマーフェスタのアンコール、アンコール、アンコール、、、。今まで見てきたそれは、出演者がステージにざっくばらんにあがって大団円のフィナーレだった。今の僕らに、あの出演者を集めてそれができるわけない。どうしよう、どうしよう。悩んだ結果、もしアンコールが来たら出演者を紹介しようというものだった。順番に、一組ずつ。それが僕らのやり方だった。出演者の皆さんに、「アンコールがもしあったら紹介すると思います、もし元気だったら顔見せてください」と本番前に伝えていた。1組目の人性補欠を紹介しようとしたら、紹介する前にボーカルの桑さんがステージ出てきて、バカかこいつはと思いつつ、心の底から嬉しかった。ギャーギャーズもフラフラしながらゲラゲラしながら出てきてくれた。スタパンもベロベロだったけどニコニコしながら来てくれた。サイバーニュウニュウ勿論初めましてだけど、ちゃんと衣装身につけてくれてて暖かく出てきてくれた。騒音寺は移動があって会場にはいなかったけど、「トリ頑張ってね!」と言葉を残してくれていた。LINKは、「俺らそういうのうまくやれないんだよ…ごめんな…」なんて言ってたのに来てくれてどこまでヒーローなんだと思った。メガさんは、ずっと「僕がベースをやろう!いやドラムをやろう!」とか言っていて意味わかんなかったけど嬉しかった。本番前にずっと気にかけてくれてたセクマシは、お父さんみたいな顔で出てきてくれた。BiSHはタオル持ってきてくれてたり踊ってくれたりでとても力になってくれた、嬉しかった。ガガガは、前田さんベロベロだったけどミドラト弾いてくれたり桑原さんが最初にダイブしたり嬉しかった。銀杏BOYZには紹介するってこと言ってなくて(緊張して言えなくて)「何も言ってないし多分あの人は来ないから、紹介だけ!銀杏BOYZ!」って言ってみた。1%の可能性を信じてステージ袖に目をやると、峯田さんがいて、そしたらひょこって出てきて、フロアにむかって手を振ってくれた。四星球は、やすおさんもまさやんさんもU太さんもモリスさんもちょくちょく声をかけてくれて「責任は重大やな。でも大丈夫や」と何度もそれぞれ声をかけてくれていた。そんな四星球が最後に紹介して出てきた時に、僕はなんだか、すべてが悔しくなって、すべてが幸せに見えて、堪らなくなった。ここで君と、君を歌ってた、歌ってく、ライク・ア・ローリング・ソング。転がり続けてく。そんな歌を最後にやった。札幌という街でゼロからを知った僕らのあのライブを見てくれた人が、この夏のイチを持って帰ってくれたら、幸せである。




夏が終わった。
今日から新チームがスタート。ボーッとしてたら、「彼ら」はすぐ先へいく。

本日、ビレッジマンズストアとツーマン、新宿レッドクロス。僕のやり方で、地獄のメロディーを50分。

コメント

  1. シンゴさん昨日はお疲れさまでした。最後の舞台袖で見えた姿と見守るBiSHの二人の画がとても素敵でした。最高の夏の終わりをありがとうございました。

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    1. 匿名さん→
      あんま覚えていなくて、情けないです。きっとまた素敵な夏が来るはずです。

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  2. お疲れ様でした。
    いろんなアーティストの最後がボイガル!
    始まる前からドキドキだった。
    終わる頃には胸がいっぱいでした。あの気色が見れたこと、思いっきりの声が聞けたこと!
    幸せです!
    シンゴ君が呼び上げた出演者の姿みたら、涙出そうでした。
    とにかく胸がいっぱいで、勝手に涙出てきました!
    私の中では、立派な優勝ですよ!!
    本当にお疲れ様でした。

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    1. あずささん→
      見てくれてありがとうございます。次の場所へ行きましょう。

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  3. わたしのなかでの優勝は間違いなくTHE BOYS&GIRLSです!!
    素敵な時間を、瞬間をありがとうございました!
    この夏のイチ、素敵な思い出を持って帰ってきました。
    心の中に大事にしまっておきます。

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    1. あんなさん→
      こちらこそ。そんな風に思ってもらえてよかったです。また次の夏で

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  4. ボイガルが優勝したあの時、あの場所にいることができて幸せでした。たくさんたくさん泣きました。
    ボイガルと一緒に過ごすことができた夏、長かったような、短かったような、いろんな思い出のつまった夏になりました。宝物です。

    0からまた始まったボイガルのライブ、次はいつになるかわからないけど、必ずまた観に行きます。今から楽しみで、ワクワクしています。

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    1. あやのさん→
      僕も、長かったような短かったような、そんな風に思えました。来れる時に、胸を張ってきてくださいね。

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  5. この夏最大のイベントが終わりました。あの日同じ時間を過ごすことができて本当に良かったです。
    手紙を書きましたが、全く上手く書けませんでした。伝わってないかもしれませんが、本当に嬉しかったんです。
    あの日からシンゴさんの「ありがとう」が今までと違うように聞こえます。驚いたのは、月が「ボイガルが満点だ」と言ってるかのようにまんまるだったことです。月までも味方につけましたね。
    これからも色んな景色を一緒に見たいです!

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    1. ミッシェルさん→
      お手紙ありがとうございます。月も綺麗でしたね、またいつでも

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