ジェットコースターは苦手だ
十三駅で降りたとき、向こう側のドアから降りてきた女の子が僕のところに駆け寄ってきた。その子は、「あの、ボイガルの、!ボイガルのシンゴさん…!」と声をかけてくれた。何かを言いたそうな顔をしている。うまく、言葉にできなさそうな顔をしている。僕は少し待った。するとその子は「私、聴力がすごく落ちてしまって爆音のライブハウスには暫くライブ見に行けなくなっちゃったんですけど、すごく応援してます!!大好きです」と最高な笑顔で話してくれた。僕はその時、「ありがとうございます、いつでもいいよ。いつでも来れるときにおいでね」と、いつもの調子で言ってしまうところだった。ライブハウスなんて、ライブなんて、行きたいと思った時に色んなタイミングがうまーく合ったときに好きなときにいつでも来てくださいってことはいつも心から思って言ってること。でもどこかで、この言葉が当たり前のように繰り返しのように使っていたのかもなって気づいた。だってその子は、今は、ライブハウスじゃないのにね。一瞬でハッとして、僕はその子に「ありがとうございます、そうなんだね、じゃあ…CDとかだ。新しいCD、すぐ出すから待ってて」と言った。その子は嬉しそうにしっかりと僕の目を見て「はい!!!」と言って、握手をして階段を降りていった。レコーディングもしていなければ、リリースも決まっていない、僕の渾身の、いつになるかさっぱりわからない口約束。あの子はずっと待つだろうし、もしかしたらこれから毎日期待してくれるかもしれない。勿論あの子だけじゃなく色んな人が待っててくれているかもしれない。あの子に出会えてよかったなと思った。十三駅からファンダンゴまで向かう5分間で色んなことを考えた。トムボーイズが待ってる。行く、ライブする。
ファンダンゴに着くとトムボーイズがファンダンゴに電飾をつけたり無数の旗をぶら下げたりしていた。彼女らなりのロックンロールショウへの準備。ワクワクした。河内REDSのライブが終わって、僕らの番。女の子たちに混ざりながら、若い男の子達が拳を上げて、まるで、「シンゴさんぶっ放してくれ、頼むよ」というような顔で僕らの歌を一緒に歌ったりしている。今年は後半になって男の子達が来てくれる数が特に西日本は増えた。彼らを見てると抱きしめたくなる。僕は男の子だから、彼らを見てると抱きしめたくなる。懐かしい曲を2曲やった。バンドでやったのは何年ぶりだろうか、どちらも結成時からある曲。まるで新曲のような気持ちで歌えた。汗が止まらなかった、べちゃべちゃである。暑くて暑くて、べちゃべちゃである。でもそんなのもうどうでもいいのだ。増えてきた白髪(本当に増えてきた)、広がってくおでこ(前からだけど最近更に)、薄くなってく髪(前からだけど最近更に)、今更ここは気にしていられない。気にしていたら、ロックバンドやってられない。それを越えてでも、どうしても汗をかきたくて、ステージに立ちたくて、足掻いてもがいて、どうしようもないくらいにどうしようもない夜を超えていきたいのだ。きっとそういう感じだ。ライブは一瞬で終わった。
トムボーイズのライブは素晴らしかった。
越えてきたからだろう。
MCでヒナちゃんは、「このツアーで成し遂げようと思っていたことがあって、それを、私たちは成し遂げることができませんでした」と言っていた。ツアーって、ファイナルって、すげーんだなって思った。 その直後にやっていた新曲がよかった。
終演後のお客さんたちの顔が、よかったと思う。
色んな人が、それぞれの思いとそれぞれの言葉を、それぞれのペースでそれぞれのサイズで抱いてる。どうか誰とも比べずに、大切にしてほしいなと思った。
お客さんのいなくなったファンダンゴのフロアでヒナちゃんとほんの少しだけ話したとき、ステージでは剥き出しの彼女が、それはそれは優しい顔をしていた。
打ち上げがなかったので、ファンダンゴを出て、僕はお腹がすいていたからご飯を食べようと思った。3人は帰った。そしたらライブを見に来ていた50回転ズのドリーさんがお店の中にいて、「シンゴこっち座れよ」と言ってくれたので横に座らせてもらって、ビールを一杯いただいた。嬉しかったし楽しかった。話の中で、数年前の冬、SAと50回転ズの札幌公演の時に50が雪で札幌に来れなかったことがあった時の話をドリーさんがして、「あれは悔しかったなあ」と言っていた。僕は、「そんなことありましたね。あの日実はそれを知ってすぐメンバーに今日なにしてる?!って確認して、みんな空いてたらイベンターさんに連絡して、僕らを出してくださいって言おうと思ってたんです。結果的にひとりどうしても予定があって無理でしたけど」という話をしたら、「そんなことしようとしてたのか」とドリーさんは笑っていた。電車の時間がやばくて、僕は先に店を出て、大阪の夜は終わった。
大好きな神戸空港から、北海道に帰ってきて、今、新千歳から札幌行きの快速エアポートの中。
ただいま。
ファンダンゴに着くとトムボーイズがファンダンゴに電飾をつけたり無数の旗をぶら下げたりしていた。彼女らなりのロックンロールショウへの準備。ワクワクした。河内REDSのライブが終わって、僕らの番。女の子たちに混ざりながら、若い男の子達が拳を上げて、まるで、「シンゴさんぶっ放してくれ、頼むよ」というような顔で僕らの歌を一緒に歌ったりしている。今年は後半になって男の子達が来てくれる数が特に西日本は増えた。彼らを見てると抱きしめたくなる。僕は男の子だから、彼らを見てると抱きしめたくなる。懐かしい曲を2曲やった。バンドでやったのは何年ぶりだろうか、どちらも結成時からある曲。まるで新曲のような気持ちで歌えた。汗が止まらなかった、べちゃべちゃである。暑くて暑くて、べちゃべちゃである。でもそんなのもうどうでもいいのだ。増えてきた白髪(本当に増えてきた)、広がってくおでこ(前からだけど最近更に)、薄くなってく髪(前からだけど最近更に)、今更ここは気にしていられない。気にしていたら、ロックバンドやってられない。それを越えてでも、どうしても汗をかきたくて、ステージに立ちたくて、足掻いてもがいて、どうしようもないくらいにどうしようもない夜を超えていきたいのだ。きっとそういう感じだ。ライブは一瞬で終わった。
トムボーイズのライブは素晴らしかった。
越えてきたからだろう。
MCでヒナちゃんは、「このツアーで成し遂げようと思っていたことがあって、それを、私たちは成し遂げることができませんでした」と言っていた。ツアーって、ファイナルって、すげーんだなって思った。 その直後にやっていた新曲がよかった。
終演後のお客さんたちの顔が、よかったと思う。
色んな人が、それぞれの思いとそれぞれの言葉を、それぞれのペースでそれぞれのサイズで抱いてる。どうか誰とも比べずに、大切にしてほしいなと思った。
お客さんのいなくなったファンダンゴのフロアでヒナちゃんとほんの少しだけ話したとき、ステージでは剥き出しの彼女が、それはそれは優しい顔をしていた。
打ち上げがなかったので、ファンダンゴを出て、僕はお腹がすいていたからご飯を食べようと思った。3人は帰った。そしたらライブを見に来ていた50回転ズのドリーさんがお店の中にいて、「シンゴこっち座れよ」と言ってくれたので横に座らせてもらって、ビールを一杯いただいた。嬉しかったし楽しかった。話の中で、数年前の冬、SAと50回転ズの札幌公演の時に50が雪で札幌に来れなかったことがあった時の話をドリーさんがして、「あれは悔しかったなあ」と言っていた。僕は、「そんなことありましたね。あの日実はそれを知ってすぐメンバーに今日なにしてる?!って確認して、みんな空いてたらイベンターさんに連絡して、僕らを出してくださいって言おうと思ってたんです。結果的にひとりどうしても予定があって無理でしたけど」という話をしたら、「そんなことしようとしてたのか」とドリーさんは笑っていた。電車の時間がやばくて、僕は先に店を出て、大阪の夜は終わった。
大好きな神戸空港から、北海道に帰ってきて、今、新千歳から札幌行きの快速エアポートの中。
ただいま。
シンゴくんが、ちょっと悩んでる所どんなものか見てみたい。
返信削除頭使うから、苦労してるから白髪増えるんですよ。
そう考えると白髪も悪くない(笑)
私もボイガルさんの新譜待ってるよ
ひろみさん→
削除待っててください。僕も楽しみです。
わたしもジェットコースターは苦手です、ジェットコースターみたいな人生もたぶん苦手です、でも案外ジェットコースターかもしれないな〜なんて、でもでもいつ落ちるか分からないから、落ちたらすぐあがったりもしないから、やっぱり違うか、、は!朝からわけわからないこと言ってる、!!!
返信削除もうすぐ1年が終わりますね、今年も今年でとてもよい1年でした、そちらはどうでしたか?
おかえりなさい。
あやさん→
削除こちらもなかなかジェットコースターのような一年でした。ただいまなさい。