舞う砂ぼこりのように

OTODAMA'17に、2日間出演してきた。

9/1
神戸空港に着くと、日が沈みかけてきて怖いくらいにきれいな夕焼け空だった。真っ赤な夕焼けやや茜色の空を見ると、中学生のころにラジカセのスピーカーからあの人が歌っていた空は、こんな空のことを言うんだろうかと、いつも考える。



9/2
自分でもびっくりするくらい目が覚めなくて寝坊してしまい、集合時間に遅刻して僕だけ電車で向かった。朝方一瞬目が覚めた気もしないでもないが、そうだとしても2回目に寝た記憶もないし、あれほんとになんだったんだろう。集合時間を設定したのは僕だったし結局みんなは先に向かってくれてたけど僕は予定よりも1時間以上遅れてしまいすごく情けなかった。こんなことなかなかないので、気を引き締めないといけないなあと反省しながら向かった。電車の中で、オトダマのことを考えると早速疲れた。セッチューフリーテントのことを考えると、脳みその容量が足りなくなりそうになった。
駅につくとスタッフの辻さんが車で迎えに来てくれていて、車に乗ると早速「死んだのかと思いました」と言ってきた。冗談きついぜ。オトダマのセッチューフリーテントのことを少しだけ教えた。会場に着くと、テントではBAZRAが演奏していた。札幌の大先輩。カッコよくて面白くて大好きなバンド。その後に抱きしめるズで僕は久々に抱きしめるズを見た。全然違うバンドになってた。いや、違うバンドではないんだけど、僕が見ていた抱きしめるズを余裕で越えてきたって感じだった。きっとそこには余裕なんてなくて、すり減って、転んで、それでも畜生ふざけんなって足跡を消さないように鳴らし続けてきたからなのかなと思った。そこに本当の気持ちがあるから、見てるこっち側は余裕で越えられてしまうのかなと思った。10月5日岡山でエンドレスサマー2017に出てもらう、めちゃめちゃ楽しみになったしすごいことになりそうだし、まだまだ知らない人や迷ってる人に来てほしいなと思った。火つけられた。
そこからもセッチューフリーテントを見ながら、気持ちがグワングワンしてく自分と向き合いながら、セットリストどうしようかなと自分たちのライブに向けて空が暗くなってきたOTODAMAの隅っこで考えた。トリ、というのは責任がある。大団円で終われたらいいな。ハッピーに終われたらいいな。明日も頑張ろうって終われたらいいな。ゲラゲラ笑えて終われたらいいな。今日いい一日だったねってみんなで終われたらいいな。そんな風に終われるかな。とか、そんなこと考えれば考えるほど、おい、シンゴ、それで、いいのかい?真っ暗な空に、飲み込まれんじゃねえぞ?そんな声が聞こえてきそうな気がすると思い込んで自分のお尻を優しくぱんっと叩いた。自分に甘い。そんな時に僕らの前のBaconを見た。そこにはバンドの理想形があったし、もっというと瞬間の理想形があった気がした。何にもいらない、なのに、心に残るものがたくさんある時間。すげーって思った。トリっぽかった。自分のケツをオラァァァアアって思い切り叩いた。もう知らん、やるっきゃない。やるっきゃないのだ。これが、今の、私ですを見せるしかない。余裕ない。これだけは言いたいってことは最初に言った、そこからは何を喋ったか覚えてない。見てくれた方ありがとうございます。Baconのあのライブの後に、僕らがやれる最大のライブをしたと自分では思ってる。
ありがたいことにアンコールをかけてくれた人がいて、やらせてもらった。アンコール、ステージに戻る時にメンバーにこれでと伝えた曲は、結局やらなかった。僕がステージに戻った時に、やっぱこっちだと思った。なんでそう思ったのかはわからないけど、何かそう思った。Baconのこうどさんが、2リットルのペットボトルを掲げて見てくれてて嬉しかった。アンコール中、向こう側で花火があがっていたらしい。去年はフラカンの圭介さんと並んで見た花火だったが、今年は自分のライブ中だなんて、贅沢だ。涼しい風が吹いてた。 




9/3
OTODAMA'17、2日目。初めて、2日間出演。会場に着くと大きいステージでドレスコーズがやっていて、初めてオトダマに出た2012年もドレスコーズが出ていたなあなんて思い出した。テントに着くとメガさんのライブが終わった頃だった。昨日よりも暑いし、昨日よりも全体的に人が多い印象。挫・人間に久しぶりに会えた。テントのライブはギャーギャーズから見たけど、日本代表だった。たくさんの人が、ギャーギャーズになってた。オトダマのセッチューフリーテントのステージを見るのは、なかなかキツイものがある。だけど目をそらしてはいけないものでもある。歯を食いしばってるだけじゃ、何も起こらないことを知ったのはここがあったからだ。ギャーギャーズが、すげえ。それだけずっと思い続けた30分。前日の抱きしめるズもそうだったけど、10周年バンド、畜生やっぱすげえってなった。ギャーギャーズも10/5の岡山一緒。抱きしめるズとの3マンです、来てね。ニートビーツのみなさんとも久しぶりの再会。大っきいステージで、BRAHMANが始まって、遠くでやってる本物のBRAHMANをただただ突っ立って見てた。僕、初めて見れて。ブラフマン。そしたら、ばっちりセット済んでるニートビーツの土佐さんが隣にきて、「人の上にああやって乗ってバラード歌ってるけど、ええ奴なんやで」と話してくれた。初めてのブラフマンのライブ、行き交う人の中で突っ立って、横にはニートビーツのメンバーがいてっていう瞬間を僕はただただ大切に過ごそうと必死だった。その後のニートビーツのライブが化け物だった。全部あるやつ。楽しいとかかっこいいとか終わらないでほしいとかロックンロールとかが、全部あるやつ。また一緒にやりたい。そして人性補欠。テントに2日間とも出演したのが僕らと人性補欠。ボーカルの桑さんは、どんなことを思ってるんだろうなって気になった。人性補欠は死にそうなライブしてた。ああいう時の桑さんは、強いのだ。日が沈みかけてきて、前日のような夕陽がステージにさすなんてことは2日目はなかったけど、雲はピンク色に染まり、うっすら橙が染み出して、人性補欠のライブが終わった。
直前でセットリストを変えて、我々。絶好調。昨日は昨日、今日は今日。一話完結だが、物語はちゃんとある。たくさんの人が見てくれて嬉しかったです。僕らのあとがBiSHだったからBiSH待ちの人が多かったっぽかったけど、大丈夫、ばっちりわかってるのでね。サンクス。きっかけやタイミングは何でもいい、見てくれたのならそれだけで大感謝です。2日間出た人性補欠とうちは、2日目は持ち時間25分。詰め込んで駆け抜けて一瞬で永遠にするくらいの気持ち。ころころダイバーが出てきて、そのダイブしてくる人たちみんな必死で、下はもっと必死で、全員抱きしめたかった。ありがとう。袖で、対バンの人たちが何人か見てくれてた。ありがとうございます、嬉しかったです。始まるころはうっすらと茜色だった空も、終わった頃には暗くなっていた。夜が来た。
僕らのあとがトリのBiSHで、僕らが終わってBiSHが始まる15分超の間に袖にぞろぞろバンドの人たちが集まってくる。みんなどこにいたの。ちょっと悔しかった。でも、そんなの今はどうでもいいやってくらいカッコいいライブできたからそれでよかった。
OTODAMAヘッドライナーの四星球を見た。セッチューフリーテントからスタートした四星球。ライブ中に花火が上がった四星球。O.T.O.D.A.M.Aと歌ってた四星球。サウンドチェックして「ありがとうございました」って言った四星球。お?通ずるものがあるぞ、うちと。ていうのはこじつけだけど、あんなカッコいいバンドを見れてる僕らは幸せである。2日目のその花火は、横にメンバーがいた。
終わった後に、帰りゆく人の中、母娘でオトダマに来ていたお二人が声をかけてくれて、お母さんに「四星球、見ましたか?」と聞かれたので「見ました、すごいことですね」と応えると、「四星球見てると涙がウルウルしちゃって。シンゴくんもいつか大きいとこまで行ってくださいね」と言ってくれた。お母さんの方は喋りながら思い出しウルウルしていた。娘さんは横でニコニコしていた。よし、行こ。







そして何より、忘れてはいけない。

セッチューフリーテントの音響をやってくれた大阪ビジュアルアーツの音響学科の学生たち。本当にありがとう。早朝7時とかに会場入りして、リハーサルもろくにせず音響やりながら暴れ回るアーティストのケーブルさばいたり、先生に怒られながら食らいついて、ろくに休憩もしないで、てっぺんが来る頃に会場を後にして、また朝7時に会場入りして、最後に帰って。2日間、本当にお疲れ様。僕もそういう専門学校に通っていたからなんとなくわかる。「あれ」がどんなことか。ありがとう。僕らが初めてOTODAMAに出たのが2012年9月9日。その年から、セッチューフリーテントは音響を学生がやるようになったみたいで。僕らはこの年の2日目の1番目だった。当たり前だけど、毎年生徒は入れ替わる。だけど僕らボイガルはオトダマに関しては、大阪ビジュアルアーツの学生と共に育ってきてる。同じ2012年から、セッチューフリーテントから始まった同士でありライバル。たった1秒が、この先の人生にとって、とてつもない何かになる可能性がある。学校卒業して、音響の道に進めない奴もきっといるさ。だけど、あの2日間があったから今わたしはこうしてますって言えるような、そんな一つのポイントにあの日々がなっていればいいなと思う。

一生懸命スピーカーつないで僕の声をお客さんに届けてくれた。そんな彼らに僕は何かを渡すことが、届けることができただろうか。そんなことを考えた。5年前、初めてのオトダマでPAやってくれたうのしゃんは元気だろうか。またいつか会えるだろうか。今回やってくれたみんなとも、またどこかで仕事できるだろうか。セッチューフリーテントから始まった僕らがいつか向こうへ行った時、どんな音が出てるんだろうか。考えれば考えるほど、胸がぶわぁっとなる。未来は真っ暗で視界は良くない、2日間テントのステージに立って確信した。本当に真っ暗で、真っ暗な空に向かって歌うしか音を出すしか術はなかった。今はまだ、それしかない。だけどそれでもきっと、その時が来るのを夢見て、色んなことを重ねていくしかないのも真実だよね。

大阪ビジュアルアーツの学生だけじゃなく、僕らのライブを見てくれた人ひとりひとりにそう思います。どれくらい頑張ったかとか、描いてた道とは違うからとかじゃなく、再会の日が来たのならばそれだけでオッケーでそれだけで伝わる日が、きっと来るような気がするって思えるような、そんななんかキッカケになれたらいあなとは思ってます。日本語すごいことになってる、どういうこと?伝われ。




見上げれば真っ暗な空、前を向けば砂ぼこり。
それでも必死にかき分けて、どこからか聴こえてくる音を頼りに、這いつくばってでも進みます。








札幌到着、ノースウェーブ直行。今夜はラジグル生放送、聴いてよね。僕ラジオやってるんですよ、毎週月火FM NORTH WAVEで「RADIO GROOVE」っていう番組を19:00〜21:00生放送で。道外の人はラジコ課金してさ。高校生向けにやってる番組だけど、そんなん気にせずメッセージとかガンガンください。今日から1万円とか当たるキャンペーン始まるよ。



そして、週末からはエンドレスサマー2017に戻り高松、福岡、広島。夏が全然終わりません。


これ言うのめっちゃダサいと思ってたけど、もう限界なので言います、遂に言います、笑わないでね、言うよ、

「今のボイガルを見てください」

うわ言っちゃった!!!!!!!!!!

コメント

  1. シンゴさん!はじめてコメントします!はじめまして。

    前に1stアルバムをタワレコでたまたま試聴して良すぎてその場で買って。それからライブに行ったりとかはずっと無かったんですが、少し前にタワレコ行ったら2ndアルバム出ててすぐ買いました!それから毎日聞いてます!前はアルバム聞くだけだったけど、今はいろんな情報知りたくてツイッター、インスタフォローしたりブログも読んでます!インストアライブの整理券あったのに予定あって行けなくて、その後のパンゲアも予定あって行けなくて、、オトダマも、、

    でも10月ミナミホイールは行けるので、遂に!ライブ見れます!めっちゃたのしみ!2日前の神戸も行けるかもなのです!

    今のボイガルを見たいです!!
    ぜひ!

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    1. ayaさん→
      初めまして、ありがとう。ミナホ見れたかな、またいつでも。

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