「ENDLESS SUMMER 2017」六本目、福岡


9/9
前日の高松が終わり、夜走りして広島まで走った。途中、瀬戸大橋を渡ったんだけど高松が遠くなっていくのを感じて、少しさみしくなった。朝4時半頃広島について、お昼前に広島を出て福岡へ向かった。
会場はキューブリック、FINLANDSとBAN'S ENCOUNTERと。リハやって、ドタバタしてたらあっという間に開場時間になった。バンズとやっと対バンできた、なあ、ようへい。ようへいとは、「みえない星」というイベントで一度一緒になったことがあって、その時彼は弾き語りだった。「バンズとボイガルの対バン見たい」というのは、ふとした時にふとしたところで今まで言われてきてて、今回やっとできた。みえない星の時は、あまり話せなかったが、いい歌を歌っていたのでムカついたことだけは覚えてる。まつおって呼ばれることが多いのかな、だったら僕はようへいと呼ぶ。みえない星の時に歌っていた歌をやっていた。でも、「新曲です」と言っていた歌がめちゃめちゃよかった。新曲がいいバンドはかっこいい。バンズは長崎のバンドだけど、福岡に出てもらえないかとお願いしたのは、九州バンドだからではない。福岡で対バンしたかった、ただそれだけだ。自分たちだけで物語が進んでいくほど僕らには力がない。今までの福岡での日々がそうさせてくれた。
FINLANDSは北海道ぶり、強くなりやがっていた。楽屋にいてもわかった。次の日も一緒だが、そんなこと考えてる暇はない、今に喰らいついていられないなら余裕で飲まれちゃう気がした。フィンランズもレコ発ツアーで。おめでとう。めちゃめちゃいいもん、新譜。ちなみに今も聴きながらこれを打っている。最初の方しかフロアで見れなかったけど、本当に強さを感じてしまって一瞬ビクついたなあ。火つけられて、消えないように僕らもステージに上がった。
久しぶりな気がした、福岡。実際久しぶりなんだけど、もっともっと久しぶりに感じた。色々思い出してしまうのは僕の悪い癖かもしれないな、たかが3年ほどの期間でこの街で出会った人や景色や風が、バーーーッと目の前に集まってきてとっ散らかって。いいたいこと、もっとあった気がする。でもまあ、福岡はいつもそうだ、そうなってしまうんだ。みっともなくてぐちゃぐちゃでまとまりのない僕で挑むしかできない。でもどこか誇らしい気持ちで。久しぶりの、来福。心は穏やかである。そういえば、いつも行く喫茶店には行けなかった。だから早くまた行かないと。このエンドレスサマ−2017、北海道から一番遠い街、福岡。自分らの冠で来れてよかった、まだまだこれからだ。今度は僕らが福を連れて行くくらいのパワーで、また必ず行きますので。


バーカウンターで軽く乾杯をした。ノンアルコールのビールが便であってそれをいただいた。美味しかった。トモヤさんが、椅子が倒れてるの気づいてないまま座ろうとしてズデーンって転んでて意味がわからなかった。ようへいが、「シンゴくん、少し話そう」と行ってきたので、うんと答えて、キューブリックのフロアの隅っこに座った。短い時間ではあったけど、楽しかったよ。「北のボイガル、西のバンズって、どうですか?」と唐突に言ってきたので、いいじゃんと適当に返しといた。偏西風。そのうちどっかでぶつかるだろうな。

バンズとはここでお別れだ、Tシャツを交換して、僕らはキューブリックを出て広島へ向かった。福岡が好きだ。初めて来た時からずっと好きだ。泣きそうになるのだ。



広島までの道、九州出るくらいまでは辻さんが、そこからはトモヤさんが運転してくれた。「全然俺も変わりますからね」と言っても、大丈夫だよと言って僕が運転することはなかった。後ろでみんなが寝ていた、多分。僕は助手席でトモヤさんとあーだこーだ話しながら。もらったバンズの音源を5週くらい聴いてから、GLAYに変えた。トモヤさんも僕もGLAY大好きだから、懐かしい曲がかかるたびに「ウワーーーー!!」と言いながら。広島の街がだんだんと近づいてくる。福岡の街は、もう見えない。日がのぼりそうだなあとトモヤさんが言った。時間は朝の4時になり、到着する数分前にカーステレオのGLAYは「I'm In Love」を演奏し始めた。もう、泣く寸前である。ここでアイムインラブかー!!!と、二人で感動したまま、広島に着いた。



確か、ほんの数時間前は、福岡にいた。
時間も街も景色も、あっという間に流れて、変わって、問いかけてくる。

これが、バンドってやつなのかツアーってやつなのかわからないけど、僕らは確かに今、エンドレスサマーの真っ只中にいる。

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