アルプス席のあなたまで

10/14
SET YOU FREE SUMMER FESTA 2017、川崎クラブチッタ。
毎年狙ってる場所、ステージ、イベント、僕にとっての甲子園です。優勝したいなって一番思ってるイベントです。あくまでも個人的な感覚での話だけど。最後の最後まで校歌を歌えるチームにずっとなりたくて。信じてくれてるアルプス席も含めて。甲子園だから。僕は、高校球児だから。ずっと負け続けてきたから。最後の夏ってのが確かにあったから。パワーもないしスピードもないけど何度だって先輩に生意気にたてついて、叶わなくて、泣いたりもしたから。ああそういえば、釧路市民球場で春夏合わせて何回泣いたかな。泣き虫な自分が悔しくて情けなかったな。

前日名古屋が終わって、夜中走って確か朝の5時くらいに東京について、昼前に川崎に入って。一組目の抱きしめるズから見た。
去年とは違う自分がいた。
フロアから二階の関係者席を見上げると、赤い服と赤い帽子が見えたから、「拝啓、エンドレス様」を持って駆け足で二階に上がった。「初めまして。聞いてください」と、まるでテンプレートかのごとく、でもそれしか言えず、CDを渡した。「ありがとう。もう終わった?」と聞かれたから「いえ、これからです。最後から二番目です」と答えて、僕は下に降りた。

どう考えても、LINKとGEZANが最高だった。



本番前に、セッチューフリーの千葉さんと少し話した。セッチューフリーは、20周年。
千葉さんは、「時計を戻す必要はないって思ったんだ」と言っていた。


正直その言葉があったから、僕はこの日いいライブができた気がしている。
僕らのやり方で僕のやり方で、夏の真ん中で白球を終えた気がしている。
優勝かどうかはわからないけど、初めて、アーー最高ってなった。
僕は僕の中で勝てた気がしたので、それでよしとしようと思った。


高く舞った照れ子は、最後のバッターが打ち上げたフライ。僕はそれをふらつきながらキャッチした。試合終了のサイレンの代わりに、向こう側から拍手と少しの歓声が聞こえてきた。右手首には、リストカットのような切り傷ができていた。右手の親指の爪が半分くらい剥がれていて血が垂れていた。

楽屋に戻ると千葉さんが、笑ってくれた。「トリ前もいいなあ」なんて、茶化してきたのが、心の底から嬉しくて、みんなで笑った。ギャーギャーズのみんなや、抱きしめるズのたいがさんたちが「すげーよかったぞ」って言ってくれた。

(撮影:南 風子)

東京に戻って、飲んで、話して、朝がきて、頑張って帰った。
僕は何度だって、目指すよ。

コメント