たとえば僕が雨なら

包丁でたたいて適当に和えればそれだけで少し美味しいし、靴が濡れても夕暮れで会えればそれだけで少し嬉しい。梅干しも雨も好きだけど、北海道には梅雨がない。
関東地方は梅雨が明けたらしいけど、元々梅雨がないと言われているこの街のこの連日の雨は、一体なんだっていうんだろう。

梅干しも雨も好きだけど。

梅雨の時期に梅雨の街に行ったことはあるけれど、それだけじゃ全部わからない。これが梅雨かあなんて、薄っぺらい感想しか出てこない。最初から最後まで見れなきゃ、俺には梅雨がわからないのである。
でも、この連日の雨に「あ、もしかしてこれって」などという根拠のない梅雨感を感じていて、そんな気持ちに少しワクワクしたりなんかやだなって思ったりもしてる。この街にはないって言われてるのに、ジメッとして、雨が降ったり止んだりしている。そして、この街にないのは、梅雨だけじゃないことに気づいてハッとする。


たとえば俺が雨なら、狙ったところに降り立ってすぐに話を聴けたり。
たとえば俺が雨なら、しんどい時は適当に会いにいけたり。
たとえば俺が雨なら、虹も簡単に架けてあげたり。
たとえば俺が雨なら、泣きたい時にはザーザー降ってごまかせたり。
たとえば俺が雨なら、歌の一つでも歌えたり。
たとえば俺が雨なら、どうしようもない夜は好きなメロディで窓辺に飛び乗れたり。

たとえば僕が雨なら、なんでもできたのに。



7月が始まりました。


  

コメント

  1. 最近仕事がとてつもなく忙しくて毎日残業ばっかで、めちゃくちゃしんどいです。でももっともっとしんどい人いるよなあ、って思い直して毎日頑張ってます。ボイガルのライブに行きたいし、シンゴさんの歌声を聴きたくて仕方がありません。この間久々にツイキャス聴けてとても嬉しかったです。それにしても、ボイガルのツアーに1秒でも早く行きたいなあ。シンゴさん、今日もどこかで歌っててくださいね。そしたらあたしもがんばれます!!

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    1. しんどいを比べたらもっとしんどくなる。「どこかの誰かはもっとしんどい」と思う優しさも素晴らしいけど、「どこかの誰かもきっとしんどい」と思う自分への優しさも忘れずに。さて、今日も歌いますよ。

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