モリシマとの日

7/16苫小牧


八戸出身、東京在住、モリシマ。モリシマは、俺の大切な友達だ。そんなモリシマ主催のイベントに出演した。大切な友達のイベントだから出演した。ただそれだけだ、なんか文句あっか。イベント名は「OUT OF OUR SHELLS -WE UNITE-」。長いし、微妙に読み方が難しい。いや、難しくはないんだけど、なんか、シェル…シェルズ?ス?みたいな気持ちになる。ユニッ…いや、ユナイトか…みたいな気持ちになる。長いし何か微妙に難しいので、以下「殻破り」と表記します。

今回の殻破り、八戸と苫小牧の2日間の開催だった。7/14八戸&7/15苫小牧。7/15苫小牧に出たバンドのうち、我々以外の4組は八戸も出演していたようだった。モリシマの、初北海道企画。八戸出身&在住バンドたちは初北海道。苫小牧のBANGLANG。うむ。気持ちが溢れていたなあ。
今更言ってもどうにもならないが、もっともっと俺にできることがあったように思う。久しぶりに、後悔をしている。後悔というか、何というか。この気持ちは何だろうな。
ブレスト以外の3組は14日の八戸が終わってすぐフェリーに乗り込んで翌朝苫小牧についていた。ブレストは確か15日もライブがあって、学祭だったっけな、それが終わって15日の夜にフェリーに乗り込んで16日の朝に苫小牧についていた。

そして16日、苫小牧でライブして、その日の最終のフェリーで全員が八戸に帰って行った。ブレストは高校生で、17日の朝から球技大会があったらしい。0泊3日の初北海道ライブだ。

どんな気持ちだったんだろう。向こうから来たブレストも、ウィズアスも、オニビリも。いい夜だっただろうか。今も忘れていないだろうか。北海道のバンドとしてあいつらに何を見せれたんだろうか。あんな日こそ、たくさんの人に見せたかった。ただただ自分たちの力が足りなかった。エルキューブは、ガラガラだったんだ。だけどね、この日の俺たちは、自分でも信じられないくらいいいライブをしたの。全く覚えてないくらいだから。ずっと嬉しかったんだ。
モリシマが札幌じゃなくて苫小牧でやった意味とか、そこに俺たちを混ぜくれたこととか、「トリはバングにやってもらいます」って力強く話してくれたこととか。1秒を遅くしたかった、もっと。駆け足で過ぎていく俺たちの日々に、手を広げて、止まれー!って叫びたかったよ。

ロックは、一つになるためにあるんじゃなくて、一人のためにあると思っている。それぞれの殻があって、それを破って、例えばライブハウスに行ったりイヤホンをつけたりする。そこで実感する。「俺は一人だ」と。「一つになんかなってたまるか」と。「これでいいんだ」と。そんな気持ちを肯定するのがロックだと思うし、そうでありたい。ただ不思議なのは、そんな気持ちを持った人たちが、一つの場所に集まるのは確かなのだ。それぞれの殻を破りひとりぼっちが一つの場所に集まり、同じものを聴いて、見て、生きている。ライブ。ライブハウス。これは矛盾なのか何なのかわからない俺には。一つになんてなってたまるか、一体感なんてロックに必要ないもん、でも、WE UNITE、俺たちは一つになる、いや違う、俺たちは一つにはなれない。だけどいいんだよ、それでいいんだよ。どうせまた続いていく、これが終われば今いるこの場所のドアをぶち抜いてまたそれぞれの道だ、ここからまた一人だそれでいいんだ、きっとまたその時は来るからその時また傷だらけの俺たちはぞろぞろと集まってまた一人になって、泣いたり笑ったりするのだ。






(撮影 はな)

BANGLANGとこうやって話したのも久しぶりで、あいつらも強くなっていた。出番控えてるタイヨウに無理やり肩車させた。笑ってる、サンキューな、タイヨウ。

打ち上げしながら、もうフェリーの時間やばいってなって、フリキのゆうきさんと俺の車でみんなをフェリーターミナルまで送って行った。車の中で誰かが「写真全然撮ってないや」と言っていたから、「写真には写らない美しさもあるさ」と適当に言うと、助手席に座っていたブレストのみかるが「ドブネズミ。」とボソッと言った。それがなんかすごいよくて、また絶対会おうねって言ったくらいでフェリーターミナルについた。ほんの10分のバンドワゴンが、俺は何だか嬉しかったんだ。

モリシマはターミナルのエレベーターが閉まる寸前に、「じゃーな!」と言っていた。生意気だな。



モリシマ、俺はきっと一生、この日の殻破りを引きずるぜ。こんな最高な日は、なかなかないよ。

じゃーな、風邪引くなよ。



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