ろくでもないブルース












(撮影:はな)




結局携帯も変えれなかったし、インターネットをつなげる申し込みもしなかった。そして、今月は一曲も書けなかった。たったの一曲も。こんなことがあっていいものか。ダメに決まってる。情けない。でも、何度も何度もギターを抱いてノートとペンを目の前にしてみても、最後までたどり着くことはなかった。そのたびに悲しくなって、もうこのまま一生曲なんて書けないんじゃないかと思った。「曲の作り方を忘れてしまいそう」と相談すると「そんなもん最初からないぞ」と言われて、あ、そっかって思って部屋で少し泣いた日もあった。深呼吸を浅めにしてみると、その矛盾に少し救われた。ステージに立てばどこまでもいける。きっと、みんなわかってくれる。

曲は書けなかったけど、「Radiotalk」と言うアプリを見つけたから、趣味程度に一人でラジオを始めてみた。『あいつの声がする』と言う番組で、これから少しずつ時間を見つけて配信していこうと思う。アプリの性能上、1枠12分という絶妙なタイム感。携帯で聴きながら他の操作もできるし、こちらが消さなければ配信したやつは残っていく。俺は俺のやり方で、俺のやりたいことを形にしていこうと思う。興味のある方はぜひ聴いてください。もちろん、メンバー4人でやってる「ボロドンバーン」もある。FM NORTH WAVEで毎週水曜夜9時から。たくさん曲もかかるし、ライブの話とかを直接届けれる。ライブハウスでは見せることができない一面を声だけではあるけど届けれる。ぜひ聴いてください。この前は俺が出れなくて3人での生放送だったけど、みんなたくさん喋っていてよかった。俺がいると結局俺がたくさん喋ってしまうからみんなが話す隙がないんだなと反省、と同時に3人の普段の感じが垣間見えて嬉しかった。いつも何かあれば3人は喫煙所に行く。きっとこんな感じなんだろうなと思った。

Rock isというwebマガジンで、月一の連載をさせていただいている。毎月、最後の水曜日22時に更新される。内容は、10曲のプレイリストを紹介するもので、月と月をまたぐ直前で更新される。その一ヶ月の自分の中にあったものと、いつかのその一ヶ月にあったものと、直に来る次の月を迎える準備で、10曲を決めている。「ワタナベシンゴの10を持て」という連載名。どこかで誰かがこの10を持って、悲しいピストルなんかに負けないで今日も生きていてくれたら嬉しいという思い。ちょっと重いか。


あの日のあの決意は、コンビニで買ったアイスみたいだった。
何もかも忘れられた一瞬は、ラブホテルの前で飲んだ缶ビールみたいだった。
大丈夫って言葉は、真っ白闇の着陸前30分みたいだった。





思い通りに行くと思っていたわけではないけど、思い描いていた8月ではなかった。
9月はきっと、もっと、駆け足で過ぎていくんだろうなと思う。

コメント

  1. 休みの日にも仕事しなきゃって思って持って帰ってきたことが全然進まなくて
    結局寝ては起きて悲しい気持ちになり、悪い夢を見て泣いて。あぁ明日の仕事からはまた上司に怒られてるんだろう、でも、あの人にも色々あるんだ。私がダメなんだもんなー頑張らなきゃって言い聞かせて、生きてる毎日、ずっと走り続けて、なんだか息切れしている気がします。だから、立ち止まる勇気をって言葉が本当に今の私に勇気をくれます。
    イヤホンから聴こえるボイガル の歌、あの日のライブとか、支えられてなんとか生きられます。悲しいピストルに負けないようにってシンゴさんが銘打ったプレイリストも、戦ってる私に勇気をくれます。
    今日も明日も明後日も、その先もずっと、なんとか生きられますように。
    はやくボイガルのライブに行きたいです。

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    1. 俺にできることはとてもわずかですが、そんな風に感じてくれている方がいる限りできることは全部全力で心を込めてやります。あと、うまく言えませんが、「怒られる=私がダメなんだ」というのは、全部が全部そうじゃない気がします。ライブ待っておりますね

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  2. シャツのシンゴさん、新鮮です、かっこいいです。9月になるのずっと待ってました。

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    1. よほどのことがない限りシャツを着てライブをするということはまずないので、僕にとっても新鮮でした。9月は僕も待ちわびていました、楽しみ

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