大切にしたいこと

5月12日に帯広MEGA STONEでライブがあった。イベントはセッチューフリー、内容はBiSHとツーマン。メガストーンでライブをするのは初めてだった。

カイトとケントとトモヤさんが脱退して、２本目のライブ。サポートメンバーはベースが三角、ドラムがポルノ（大岡）、ギターは急遽DOUBLE SIZE BEDROOMの正和さんにお願いした。新体制１本目でギターを弾いてくれたウズラが出れなくなったため、今回は正和さんにお願いした。ウズラの地元が帯広で、あいつが高校生の頃に帯広でやっていたバンドに僕は世話になったから、あいつとこんな形で帯広に帰れるのが楽しみではあったけど、仕方ないことは仕方ない。すべて、あのバカうまいカレーライスのせいにして水がぶ飲みで飲み干そう。

僕はずっと、帯広restというライブハウスに世話になっている。去年の5月には、初めての帯広ワンマンをやった。場所はもちろんレストだ。あの日は友達の誕生日だった。あずまりゅーたって奴。りゅーと飲んだ酒の量は数知れず。りゅーと越えた夜の数も、面倒くさいほど。りゅーと二人でレンタカーで、レストに弾き語りに行ったこともあった。あの日は、えりこちゃんというとんでもない最高な鍵盤弾き語りの子と一緒だった。今でもたまにCDを聞いている。僕とりゅーは二人で会うと、よくあの子の話になる。あの子はロックンローラーだった。

話を戻そう。

去年の帯広ワンマンの日、レストのなおさんとやまさんと話している時に「ウズラくんは元気にしてる？」と言われた。この日に限ったことじゃなく、レストに行けば大体いつもあいつの話になる。「ああ、なんとかやってるみたいですよ」と僕は適当に答える。レストと僕をこんなんにも繋げてくれたのは紛れもなくウズラだ。

なおさんは「あずまくんも元気なの？」と僕に言う。「ああ、なんとかやってるみたいですよ」と僕は適当に答える。だけどなおさん、すいません、あの頃実は、りゅーは僕からの連絡を全部無視していたんですよ。あの頃、りゅーはライブハウスにも姿を見せなくなって、音楽もやらなくなって、閉じこもっていたんです。ひたすら仕事して。で、僕だけ彼と連絡が取れなかったんです。なんか、僕に会わせる顔がなかったんですって。ひどくないですか？そんなことどうだっていいのにね、僕の電話もメールも全然繋げてくれなかったんですよ、メールくらいしてくれてもいいですよね。それもあってあいつがなんとかやってるとこも本当は知らなくて、僕が知りたいくらいでした。強がって先輩風吹かせてすいません。あの日はあいつの誕生日だったから、ははは。

時が少し経ってりゅーは外に出るようになった。一人で歌も歌うようになった。全然よくなかった。でもあいつがモサモサと笑ってるのが嬉しかった、またここから一歩ずつ打ちのめされながら歩いて行けばそれでいいと思った。あと髪切った方がいいのになとも思った。

そんなボロボロになったりゅーが、どうやら、初めてのワンマンライブをするらしい。よく、踏み込んだと思う。だからこそ、またここで打ちのめされて、這い上がるような、そんな1日になってほしいなと心から祈る。6月1日、場所は札幌ローグ。最高の会場。定員は６０人、現在３０人ほどの予約が来ているらしい。あと二週間、あと３０人、戦え。りゅー。目先の数字にこだわることは、僕は大切だと思う。その場で聴いてもらえる最大の数の人には聴いてもらいたいもんな。なんにせよ、彼の初めてのワンマンライブ、最大のエールを送りたい。隙を見せずに、どこまで歌えるか。それは僕にも言えることだ。楽しみだな。

話をメガストーンに戻そう。

12日、メガストーンについた時、入り口に４枚のポスターが貼ってあった。

その右隅に貼ってあったのが、ボイガルのポスターだった。そのポスターは上に書いた帯広ワンマンのポスターじゃなく、その一年前、2017年5月のワンマンツアーのポスター。東京／大阪／札幌の３ヶ所だけのワンマンツアーのポスター。「帯広はないのですが、いつかここでもワンマンやれるように頑張りますので、貼ってください」と頼みに来た時のポスターだった。あの日、メガストーン自体はライブがなくてお休みだったんだけど、「中に入ってみるかい？」と言っていただけて、鍵を開けてくれた。あの日の誰もいないがらんとしたメガストーンのフロアを鮮明に覚えている。
その時のポスターが貼ってあった。
今回ワンマンではないけどついに念願叶ってメガストーンでのライブだったから、わざわざ引っ張り出してきてくれたのかなと思って、終わったあとに聞いてみた。すると、「なぜかずっと貼っていましたよ」と言っていただいた。たくさんのアーティストのポスターがきっと貼られているはずなのに、僕らのだけずっと貼ってくれていたらしい。もう、2年前のポスターだ。心臓がぎゅっとなって、帰りの機材車の中で僕だけビールを飲んでいた。

この写真はその時、ポスターを貼りに来た時の写真。僕はまだまだこれからだ。

メンバーが抜けた。

レコーディングをした。

サポートメンバーとスタジオに入った。

撮影をした。

取材があった。

何度も打ち合わせをした。

何度も言い合いになった。

誰になんて言われようが、ボイガルの物語だけはまだ終わらせるわけにはいかなかった。

「陽炎」ができた時、スタジオからの帰り道は遠回りして家に帰った。

数時間後、5月22日0時00分から、「陽炎」の配信がスタートになります。

OTOTOY/Spotify/Apple、詳しいことがあまり僕もわかっていないんだけど、正々堂々のやり方で、あなたに投げかけています。どうか真正面から受け取ってください。そして、まっすぐ歩けなくとも遠回りしてでも、どうかその足で歩いてください。

聴いたら、ツイッターでもインスタグラムでもなんでもいいので、発信してもらえると嬉しいです。消えていく陽炎を、いろんな形でいろんなところで出現させてください、お願いします。

18時00分にはミュージックビデオが公開されます。

監督は、戦友。

同時刻に、明転ツアーの対バン第2弾を発表します。発表する前に、全箇所ソールドアウトさせたかったけど、どうやら無理そう。だけど現時点でチケットを購入してくれている方が確かにいるのは事実、ありがたい限り、任せてください。

そして24時間後に第2弾の対バンが発表される前に、このTHE BOYS&GIRLSに期待してくれる方がいましたら、是非チケットの手配を。

キャンペーンの合間を縫って、このブログを投稿。

今夜はFM NORTH WAVEで生出演が２本。楽しみ。

大切にしたいことは、ギターやマイクを持っていないところで、巻き起こることだ。

音楽がなっていなくても、ステップを踏める。野鳥は飛び、虫が泣き、猫が踊り、赤ん坊が歌う。安いエレキギター、初心者入門セット。

大切にしたいことは、そういうことである。