ガリバタ豚焼肉&スタミナ唐揚丼

身体がバキバキ悲鳴をあげるくらいまで生きまくった4月30日だったはずだけど、結局、カラスがカァカァ鳴き始める時間まで眠れず、6時前くらいに眠った気がする。
カーテンの向こうがもう明るいのをなんとなく感じながら、起きたら夕方かもなんて少し期待してアラームをかけずに目を閉じたけど、10時過ぎに目が覚めた。




地元の友達が何人も夢に出てきた。
安酒場であーだこーだ言いながらいつものメンバーで飲んでる夢だった。
いいだけ飲んでだいぶ深い時間になってきた頃、僕が水を飲んでいる時けーちゃんが突然「貴婦人の形」というギャグで笑わせてきて、飲んでた水をブハァってしてしまって、やめろよ！！なんて笑っていた。それを見ていた健太が「やべえ、給湯室じゃん！久しぶりにやるべ！！」と立ち上がり、けーちゃん以外のみんなでそれぞれ水を含んだ。嫌だ嫌だ言いながら、僕らは水を含んで、けーちゃんはニヤニヤしている。

北海道中標津町育ち。
中標津中学校という中学に通っていた、2001年から2003年。すきま風びゅんびゅん、廊下は白い息、雪の日はなぜか廊下にうっすら雪積もってる時もあるような、ボロボロの校舎だった。そんな校舎の3年生の玄関のすぐ横に給湯室ってのがあった。こうやって打ってるだけであの頃の給食の匂いがするような気がするな。
その給湯室で僕らはいつも、みんなで口に水を含んで、一人が笑わせて、水を含んでる人は吹き出さないように笑うのを我慢するという遊びをやっていた。
そこで幾つものギャグが生まれたが、けーちゃんが「貴婦人の形」というギャグをやった時があって、あれはほんとに衝撃的だったんだよなあ。
前の日にけーちゃん家でみんなで遊んでる時に、「貴婦人」って書いてる甘納豆をみんなでおやつとして食べてて。その甘納豆の形を、次の日の給湯室で出してきて。最初何かわかんなかったけど、「昨日の甘納豆覚えてない…？」ってけーちゃんが言った時に全員ブハァァァア!!!!!!!みたいな感じだった。

健太はそれをパッと思い出し、「給湯室やるべ」と提案してきた。



…というところで目が覚めたんだけど、びっくりするほど眠くもないしびっくりするほど目覚めがいいので、今これを打っている。友達は元気にしてるんだろうか。






昨夜はTHE BOYS&GIRLS、実に3ヶ月ぶりの札幌でのライブ。
会場は札幌moleで、最初からお客さんは会場に来させないスタイルで、電波に乗せてYouTubeから生配信という現代ありがちな手法。

やってよかったなと、そんな風に思えた。

バンドで最後にスタジオに入ったのは、2ヶ月前の2月27日だった。
その日は、2月29日以降の札幌ライブでサポートギターを弾いてくれる予定だったシュンキさんと、ポルノと三角と4人で入った日だった。その日のスタジオが終わって、「次は明後日ね、終わったら飯食いに行こう」なんて言っていたが、その直後に緊急事態宣言が発表されて、スタジオに行くのもやめた。結局そこからすべてのライブができなくなり、シュンキさんとはあの日から会っていない。シュンキさんにもシュンキさんの生活がある、あの人は生きるろくでなしBLUES、熱い男だ。

昨夜の配信ライブをやることを決めてから、結果的に最初頼んでいたシュンキさんとは「今回もやめときましょ、シュンキさんどんどん幻になるね」なんて笑いながら決断した。ふるさんに連絡。ふるさんにもふるさんの生活がある。だが、ふるさんもまた、熱い男である。2週間前に、ふるさんがいけることが決まった。「ポルノと三角？最高じゃん」と来た。そこから曲順を決めた、15曲。ふるさんに新たに覚えてもらう曲は3曲。

スタジオに入ったのは、27日の夜の1回。
この4人で音を出したのは、1月26日のCOLONYのステージ以来だった。

27日のスタジオ帰りは、ポルノの車で送ってもらって、じゃあ30日ねなんて別れた。







ステージにバリアを作ったり、ボーカルの立ち位置も本来のmoleのステージよりも新たに1メートルほど増設したり、全曲手書きの歌詞を出したり、THE BOYS&GIRLSとしてできる最低限でありながら最大限の届け方を考えて探して、すべてのわがままを突き通した。
何度も何度もmoleチームと電話をして熱くなる携帯。電話を切った5分後にすぐかけて、さっきの話と別なんですけどなんてやり取りを毎日のように、何回もした。部屋で何度もイメージをした。その道のプロの方に頼まずに、でき得る限りの最小の人数で、なおかつわかり合えるメンバーで、それぞれの持っている力と知恵をほんの少しオーバーさせれば絶対にいいものができるという自信があった。
結局、配信開始の10分前まで、「ケーブルどこ……？」とか「やっぱこれ、こっちにしよう」とかやっていた、最高だった。「一旦落ち着きましょう」ってみんなで何回も言いあった、最高だった。



僕がきっと、一番何もしなかった。
わがままを言うだけいって、何回も歌ってきた歌をいつものように歌っただけだ。
ライブの時はいつもそうだ。曲順も僕が決めて、ここはこういう曲の繋ぎ方でとかも決めて、歌詞も僕が決めて、結局決めてたこと本番で全然やらないのは僕で、だけどみんながついてきてくれて。昨日も、完全にそうだったな。ありがとう…(ごめん)

でもやっぱ今になって改めて思うけど、マスクしてでも距離をあけてでもなんでも、交わる人たちの魂が見えるのは嬉しいな。声でも顔でも仕草でも。



終わって、撤収して、みんなでmoleを出てそれぞれの帰路へ。
うちの近くのコンビニに寄って、ふるさんとそこで別れた。僕が会計してるのを少し離れたところで待ってるふるさんが僕に向かって、「ソーシャルディスタンス。」と一言だけ言った時が、昨日一番怖かった瞬間だった。

じゃあふるさん、元気でねなんて言って、家に帰った。



明日は休みだしどうせ誰にも会わないしと思い買った「ガリバタ豚焼肉&スタミナ唐揚丼」というバカみたいなお弁当を、部屋について食べた。めちゃくちゃなお弁当で最高だった。Twitterでハッシュタグをボーッと見たりしながら、静かな部屋の中でひとりごとがポロポロ出てきた。思い出だけじゃなく、ありがとうだけじゃなく、未来や過去じゃなく、だからといって今だけでもないけど、どこかに君がいるって思えるのは、自分がここにいるからなんだろうか。



辻、誕生日おめでとう。
ツネさん、ストレンジャーシングス。
東京はどうですか？札幌は、桜が咲きました。




昨夜の配信、まだもう少しの間、見れるようにしてます。
グッズや投げ銭も、よければ通販ページ見てみてください。



今日からまた人に会わない時間が増えるけど、やるべきことと出来ることをしっかりと探して形にする。

5月のやり方を。