コントロール

基本的には暖かくて晴れてる方がいいけど、適度に良い間隔で雨の音が聴きたいと思うのはわがままだろうか。雨が降れば試合は中止になるし、出かけることもできないし、靴も濡れるから、良いことはあまりないんだけど。でも不思議なもので、雨の音が聴こえれば、深夜の暴走車のエンジン音も上の階のドタバタも鳴り止まないサイレンも、少しは許せてしまう自分がいる。曲も、晴れてる日より書ける。決して晴れやかじゃないけど、落ち着く。

あーそうだ、米がなくなったから、買いに行かないと。



ここ最近は、日中は電話やZOOMなどを繋げてスタッフ陣と言葉と思いを交わして重ねて、それが終わったら一旦自分で考えて、そしてそこから新たに思いついたり気持ちが変わったりしたらすぐまた繋げて言葉と思いを交わして重ねて。だけど常にギターは隣に置いて、自分から歌が生まれることも決して諦めないで。全部を、なるべく逃したくない。いつ、なにが目の前に現れるかわからない。そして、それがいつ消えてしまうかもわからない。自分しかいないバンドのこと、自分で零すわけにはいかない。




今までやってきたようなライブはないけど、今だからやれるライブはある。今までもやってきてたことが、今だからこそより響くことになってたりもする。この2ヶ月半、いくつかの配信ライブと、いくつかのキャンペーン、ツイキャスでの毎週のラジオや、ひとりでの宅録。奮い立たせてくれたのは紛れもなくお客さんの力です。こんな日々でもメンバーがいないバンドをこうしてやれているのは、SNSや配信時に届く声に本当に力を貰っているからです。


延期になった3枚目のアルバムの発売まであと1ヶ月と1週間。
本当にたくさんの人の大切にしたいことが、このアルバムに詰まっている。こんなの内輪話だけど、でも、本当にそう思ってる。だからこの「大切にしたいこと」というアルバムを、これからは、このアルバムに大切にしたいことをくれた人の、その何倍もの数の人の大切にしたいことに変えたい。届けたい。誰かの大切にしたいことがこの作品になったから、この作品を誰かの大切にしたいことに変えたい。ノイズも入ってて、曲も単調で、コード進行もありきたりで、心に染みるような共感できるようなラブソングもないけど、この作品を届けたい。







ずっと考えてる。毎日、ずっと考えてる。



この先のこと。延期したツアーのこと。
緊急事態宣言が解除されてても、街によって状況は違うし、例えば東京は緩和のステップがいくつかあってでもライブハウスはずっとバツマークがついてて。例えばじゃあ北海道はどうだろうとか。例えば7月は厳しいかもしれないけど、11月はもう元に戻ってるかなとか。例えば人数制限あっても20人くらいならお客さんいれれるかなとか。
結局、今の時点でイメージするしかなくて、悪く言えば、一か八かの勘で予想するしかない。
だからこそ、ずっと考えてる。
きっとその「勘」ってやつにも、「イメージ」ってやつにも、ちゃんと道標があるはずで、そしてそれはきっと自分らで立てたやつ。立ててきたやつ。
今までそうやってやってきた。もちろん、間違えたこともあったけど、「ここにこういう気持ちでこの道標を立てておこう」とやってきた。



自分が札幌に住んでいることや、ひとりでこのバンドをやっていること。
幸せなことに、決して多くはないかもしれないけど、全国に待ってくれている人がいること。心の底から涙を流したり笑ったりしてほしい人がいること。ありがとうって伝えたい人がいること。ありがとうだけじゃなくて、もっと伝えたいことがある人がいること。
THE BOYS&GIRLSを、肯定してくれたライブハウスや街があること。




やれるべきことをやりながら、楽しみながら、考えている。
正解なんてないのかもしれないけど、最初からそう思うことは少なくとも正解ではない気もする。だから僕は、不正解の存在を自分で自分にちらつかせながら、この状況の中を進むこのバンドと、この作品と、このツアーが、これこそあるべき道標だと胸を張って示せるように立て直す。例え来た道を戻ることになっても、進むことになっても、そこで休憩することになっても、ここまで来てくれた人が迷わないでいれるように。









と言いつつ僕は、自分のことしか考えれないどうしようもない男である。
今日も6時の鐘がちょうど聴こえてきた。
髪の切り方を、すっかり忘れてしまいそうな、そんな気がする。



コメント

  1. 頼んでいた黒のロンT届きました。今の季節ちょうどいいです。まぁなるようになるさで生きて行こうと思ってるよ。

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    1. 返せてなかった、すいません。ロンT届いてよかったよ

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