思い
最後にブログを書いてから3ヶ月が経ってた。そんな経ってるなんて思ってなかったし、一体この3ヶ月何をしてたんだろうと思った。そんな朝。カーテンの隙間から晴れ間が見える。
毎日、何かを追っている。息をするのも忘れるくらいってほどでもないけど、息が詰まりそうに感じる時はある。誰のせいでも、何かが悪いわけでもなく、自分の問題だ。そしてどちらかと言うと、いい意味だ。自分を纏ってる時間の流れが、見たことない表情で蠢いていてバキバキになってる。
毎週土曜日24時からAIR-G'で放送されてる長寿番組「FM ROCK KIDS」を7月から担当させていただいてる。当初の予定通り僕の担当は今月いっぱいまでで、つまり明日が最終回だ。声をかけてくれて、本当に嬉しかった。コロナウイルスが世の中を駆けずり回ってら中で、この夏をTHE BOYS&GIRLSに渡してくれて本当に嬉しかった。あっという間の3ヶ月は、かけがえのないものになった。
何か発信をしていたくて、毎週水曜日21:00からツイキャスを使って「あいつの声がする」というひとりラジオを3月から本格的に配信し始めた。ラジオのレギュラーもなくなり、声を届けれる場所がなくなり、自分で作った。ディレクターもいなければ台本もない、スタジオもないので自分の部屋から。だらだらと話してるだけではあるけど、リアクションやメッセージをくれる人たちに支えられて今も続けている。そして、「あいつ」のおかげで、FM ROCK KIDSにたどり着いたと思っている。聴こえてほしい声は、出すのを諦めなければ、ちゃんと届くんだなと改めて思い知った。
そして今月から、毎週金曜日21:00から30分間、地元中標津で流れているコミュニティFM・FMはなで新しい番組も始まった。「ワタナベシンゴのN学団」という番組。「大切にしたいこと」のリリースとFM ROCK KIDSが不思議な繋がり方を見せてきたこの夏だった。この「ワタナベシンゴのN学団」は、中標津の人にどれくらい聴かれているかが今はまだ全くわからないし、恐らくまだ、全然聴かれていない。そしてradikoなどで聴けない分、町外の方でも聴くのがなかなか難しい。時間はリアルタイムじゃないと聴けないし。自分が聴けないラジオにメッセージを送るのもなかなか気が重いだろうし、メールの数も「ロックキッズ」と「あいつ」に比べると少ない。だけど、今は札幌に住んでいる自分が中標津をこんなに近くに感じることができているのは、確かに届くいくつかのメールのおかげだ。収録が楽しい。素朴なラジオではあるけれど、自分の好きな歌も流している。十代の子が、気にいるかもしれない。今はこつこつと、その電波を重ねる。
自分がやっているこの3本のラジオの他にも、全国各地のFM局がコメントを流してくれたり電話で出演させてくれたりしている。8月23日から始まった全国配信ワンマンツアー「少年少女の灯火」に合わせて、その街のラジオに声を乗せる時間をいただいている。3分のコメントも、1曲流してもらえるのも、その枠は簡単なものじゃない。どうすれば恩返しができるか、そんなの一つしかない。
今月の日曜日から、「俺の背中に流れてく」というTHE BOYS&GIRLSの漫画が始まった。ツイッタ―とインスタグラムにて毎週日曜正午に更新されていく、THE BOYS&GIRLSのバンドストーリーを漫画で連載していくもの。森野ひにちさんという方に絵は描いてもらっている。この漫画の話を決めた時、彼女しかいないと思った。ひにちさんは、昨年出した弾き語りアルバム「愛葉集」の歌詞カードの最後のページに挿れてる僕の弾き語りの絵を描いてくれた方。数年前に幌平橋で歌っている僕を見て、すぐ描いてくれて、すぐ僕にくれた。数年前。僕はその絵を気に入ってたけど、描いてくれた人の名前もわからずに数年が経って、昨年歌詞カードに使おうと思って、Twitterに「数年前に幌平橋で歌ってる僕の絵を描いて渡してくれた人を探しています」と書き込んで探して、HPにメールをくれたのがひにちさんだった。それから、昨年の6月にプロボで一回挨拶してくれて、弾き語りツアー「暗転」の旭川編に見にきてくれて、喋ったことがあるのはその2回。どちらも、挨拶程度だった。
この漫画「俺の背中に流れてく(オレセナ)」の話をするとき、『怪しい話があるんだ』と僕は夜の喫茶店にひにちさんを呼び出した。店の前に着くと僕より先にひにちさんが立っていた。席について、一からことの説明をした。こうこうこうで、こうで、こういう流れでこの漫画をやりたくて、こうこうこうで、、、と。ひにちさんはその度に「いいですね」「ワクワクしますね」と相槌を打っていた。ひにちさんは、僕の話を開いていた手帳のようなものにスラスラと書きながら、こういうのはどうでしょうかと時折アイデアを出してくれて、あっという間に2時間近く経ったころに僕らは解散した。ひにちさんは喫茶店での話の中で、高校時代にすべてはここからのシングルを自転車で買いに行った話や、地元でクロマニヨンズのライブを見に行った話などをしてくれた。その話が妙に自分の経験とリンクしているところがあり、悪巧みをする共犯者としてのバイブスに一切の不安がなくなった。きっと楽しんでもらえるし、もっともっとオレセナが色んな人の目に届くといいなと思う。これからどんどん進んでいくオレセナの物語も、現実のTHE BOYS&GIRLSの物語も、並べて見ていただけたら嬉しい。
そして、全国配信ワンマンツアー「少年少女の灯火」、これが今のボイガルにとってもっとも核にあるもので間違いない。4本が終了。毎公演、心と身体が0から100になり、また0になる、そんな日々。すべて札幌から配信しているけれど、しっかりとその街に、そのライブハウスに、身体以外のものを連れて行っている。各ライブハウスの看板をみんなでペンキで描いて、背中に掲げてる。各地の動画をお客さんから集めて、それをオープニング映像として使って、そこに自分の声を乗せて、開演前ギリギリの感情に持っていってる。1500円というお金をとっている。曲目もギリギリまで悩んでいる。現時点で、30日の大阪FANDANGO編の曲目は決まっていない。毎日毎日考えてはいるけど、これじゃないこれじゃないとなって、中々決まらない。スタジオでの時間も、いつもあっという間に過ぎていく。たった1曲に、たった8小節に、一回のスタジオ練習の時間が過ぎていくこともある。無駄にはできないし、手は抜かない。僕らは全国ツアーを回っている。
4月に「ボイガルがいる」という無料生配信ワンマンをやったとき、1300人ほどの人がリアルタイムで見てくれていた。今回ってる「少年少女の灯火」は、終えた4本を平均しても、その10分の1にも達してない。単純に自分の実力不足と共に、配信というものへのため息もあるだろうと思う。それを否定はできない。ただ、一本でいいから、少なくともあの時の1300人には見てほしい。あの無料生配信ワンマンと今やってるツアーは、わけが違うんだって、一本見てもらえたら伝わる気がしている。そのはじめの一本を踏み出してもらえないことが、今はとにかく悔しい。が、悔しさでステージには立っていない。見にきてくれた人へ、行くことの出きなかった街へ、ライブハウスへ、最大限の愛と感謝でステージに立ってる。
溶けるような夏に始まったこの矛盾だらけの全国配信ワンマンツアー「少年少女の灯火」は、吐く息が白くなった冬に終わる。その灯りを頼りに、季節をこえていく。
FM ROCK KIDS、3ヶ月間楽しい放送をありがとうございました。
返信削除少年少女の灯火を観ていると、ツアーが進むたびにボイガルがパワーアップしているのを感じています。このまま行くと最後に札幌に戻って来た時には物凄いことになってそうですね。
くれぐれも体と心を大切に。
この後に続くツアーも楽しみにしています。
私はボイガルからいつもパワーをもらっています。ありがとうございます。
返せてなかった、すいません。ロックキッズ、思い出しては泣きそうになっています。
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