どういうの

ボイガル始める前にやってたバンドで、ライブのたびに「札幌から来ました」といつも言っていた。そのバンドでは北海道を出たことがなかったし、そもそもライブの8〜9割は札幌だったけど、いつもそう言っていた。

ギャグのつもりで言ってたわけではなかったけど、特にこれといった強い意味もなかった。
それを言えばなぜかなんとなくウケていたし、そんなこと言ってる先輩も周りにはいなかったので、なんとなく言い続けていた。周りがどう思っていても、自分が何も思っていなくても、結構どうでも良かった。

そのバンドが解散して、すぐボイガルを始める準備をしていた。THE BOYS&GIRLSの初ライブは2011年3月21日、今はなき札幌COLONYというライブハウス。

この日も、「札幌から来ました」と言った。
ギャグのつもりで言ってたわけではなかったけど特にこれといった強い意味もなかったはずだった。それを言えばなんとなくウケていたしそんなこと言ってる先輩もいなかった、だからこそぽろっと出てくるような言葉なはずだった。

だけどなんか、なんとなくそれまでと違うような感覚があった。言った後に、「いやそうじゃん」ってふと我に返るような、そんな感覚だった。
俺たちは札幌から来たんだ。そうじゃん。
それから結局ずっと、言い続けてる。特にこれといった強い意味は今もないけれど、なんだかんだで言い続けている。札幌のライブの時も、リハーサルを始める時も言っている。


と、言いつつ、札幌はもちろん北海道のこと、俺全然知らない。コロナ禍以降でそれに直面してしまった。行けていない道内のライブハウス、バンド、空気感とかドリンクチケットとか、最寄り駅が改装したこととか、俺いま全然分かってないじゃんってなった。全然知らないじゃんってなった。だから、ちゃんと自分で手繰り寄せるように知りに行かなきゃと思って、2022年に北海道のバンドと北海道のライブハウスに行く『DO YOU KNOW』というツアーを開催した。対バンしたことあるとかないとかは置いておいて、教えてもらったバンドや自分で偶然知って気になっているバンド、とにかく北海道にこだわって開催した。
2022年、2023年と開催して、個人的には本当に得るものがあった。こんなバンドが北海道にいたなんてと目をキラキラさせながら話してくれたお客さんがいたこと、素敵なバンドを連れてきてくれてありがとうと話してくれたライブハウスの店長さんがいたこと、何にも知らないけど知らないからこそ来てみましたと教えてくれた道外のお客さんがいたこと、めっちゃ悔しくて見なきゃダメだと思いましたと遠くの街まで一人で見に来てくれたバンドマンがいたこと。言い出せばキリがないけど、リリースツアーとかとは全く別物の感情がそこには生まれていた。
2年とも、動員に関しては理想や目標には届かない厳しいものがあった。それにより、北海道という土地で、札幌という街で、自分が今どこにいるかみたいなものははっきりと痛感できた。


今年、バンドは結成13年を迎え、14年目に突入。
4月には『陰も日向も』というアルバムも発売できて、また一つ大きな愛を抱えながらバンドは進んでいる。道外でのライブもすっかり増えいく中で、野外のステージやライブハウスの周年イベントなどにも道外で呼んでもらえることが増えてきて、なにより嬉しかった。
先輩後輩同年代、各地ライブハウスの皆さんやイベンターの皆さんや各媒体の皆さん、そしてお客さん。道外に思い浮かぶ顔が本当に増えた。

だから、『DO YOU KNOW』やらなきゃダメなのだ。
そもそもこの街で、知らないことが多すぎる。知りたいことも多すぎる。見たいものも見せたいものも、感じたいことも感じてほしいことも、自分にはまだまだある。
今だからできる・知れる・感じれることはなんだろうと、ほんの少しだけ見る角度を変えてみて、今年の『DO YOU KNOW』は札幌でのみ開催にした。

北海道のバンドを中心に、道外のバンドも混ぜることにした。

北海道のバンドと北海道のライブハウスを回る、じゃなく、
もっともっとわかりやすいもの。
俺が、この街に来て、この街を出て、THE BOYS&GIRLSってものを使いに使って出会ったバンドたちに、同じ日に集まってもらって、未だ見ぬ得体の知らない何かを知ってもらいたいというシンプルなもの。感情なのか、風景なのか、言葉なのか、メロディなのか、それはわかんないけどそういうもの。

ただ北海道のバンド集めましたじゃなく、ただ道外の仲良いバンド集めましたじゃなく、ただ札幌のライブハウス借りますじゃなく、そこで終わらずに脳みそにガンガンいろんなものぶち込まれていくような日になることをイメージして、『DO YOU KNOW 2024』は開催します。

これは所謂、今や毎月のように各地で溢れている“サーキットイベント”形式ではありますが、至極当然な話だけど、ボイガルだから揃ったラインナップだしDO YOU KNOWだからこそのタイムテーブルになっていると自信があります。

道外からももちろん来てほしいけど、何より札幌はじめ道内の音楽好きやライブ好きの方に来てもらいたいのが超ある。大きい小さいじゃなく、有名無名じゃなく、フェス出てる出てないじゃなく、フェス行ってる行ってないじゃなく、この土地の空気吸って音楽にしてちゃんと血のにおいのするバンドがたくさんいるってとこを見てほしいし、感じてほしい。見つけてほしいし、知ってほしいし、知ってるなら後ろに回して一緒に来てほしい。そこに道外のイカしたバンドも混ざるんだ。


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『KALMA』がmoleの1組目、この日の開始のゴング。これは俺にしかできない配置、ずっと信じている。

『FREE KICK』がカウンター1組目。「お前絶対最初からこいよ」って言われてます、わかったようるさいなあ。

『The Floor』がESPの1組目。お互いいろんなとこを見てこれたからこそ任せた。こう見ると、頭の3組は、付き合いの長い3組。

mole2組目『まなつ』は東京町田から初の北海道、俺の大好きな3人なんだ、手荒い歓迎しないとだめだ。絶対北海道似合う。

カウンター2組目『for sibyl』は去年のDO YOU KNOWで風穴開けてくれた3人、最早いなきゃ始まんないよ。どうせ今年も。

ESP2組目『nape's』は、福岡から初北海道。一番遠い街から。10年前、vo.晴久が福岡のタワレコで偶然俺を見つけてくれたおかげで、この日がある。長かったな。

mole3組目『SNAP PUNCH MOMENT』のおかげで、去年も今年もやろうって気持ちになれた。mole全然似合わなさそうだからmoleにした、みんなで笑おう。

カウンター3組目『Brown Basket』、一昨年の年末大阪、出会ったその日の彼らの30分で俺ぶちのめされちゃって、大変なことになった。京都から初北海道、全部切り裂いてほしい。

ESP3組目『No.18』がここで登場するのがどう考えても最高ってこと、知ってる人はもうイメージできてるか。まだ未体験ならこの日チャンス、揺れる。

mole4組目『KOHAKU』。ここでmoleはきっとひとつ空気変わるんだ。秘めた熱さは見せないままでも、ヒリヒリしたいからKOHAKU呼んだ。

カウンター4組目『SEVENTEEN AGAiN』、これまで本当に沢山のこと勝手に教えてもらってきた。お客さんもきっとそう。だけどまだまだ知りたいし、こぼしたくない。

ESP4組目『ランチブレイク』はDO YOU KNOW 2022出てくれて、その日も全員から音楽そのものが滲みまくってた。ジャンルも全部なんでもいいから音楽になろう。

mole5組目『フラワーカンパニーズ』。初めて会った日、ボイガル始まる直前で、俺酔っ払って「いつか絶対対バンしてやる!」って。あの時は本当にすみませんでした。

カウンター5組目『MAPPY』、ここがこの日のちょうど折り返しあたり。数少ないこの街の同世代こーへーマンからの返信には、「シンゴは友達だから!」って書いてた。

ESP5組目『goethe』、goetheも2022出演してくれている最高グッドミュージックバンド。2021年はgoetheの音楽にかなり生活を支えてもらいました。goethe出るの最高。

mole6組目『明るい赤ちゃん』、まさに今彼らも道内ツアーの真っ只中。経て、30日には確実に強くなっているはずだから、今から緊張してる俺が。

カウンター6組目『39degrees』、東京町田からメロディック。一緒に青森ツアーしたり、全国各地で顔合わせてるからこそ。動き続けてる3人に感化されまくりです。

ESP6組目『BENBE』という完璧なタイミングで登場。ESPの流れで考えても、他会場からの流れで考えても、ここのBENBEなんです。ブルーズ。

mole7組目『yubiori』は横浜から初北海道、会わせたいやつが沢山いる。カウンターと迷ったけどmoleにした、なぜならvo.ジミーには道東の風が吹いてるから。

カウンター7組目『plop』、この辺りから一気に1日の終わりの方向に足突っ込んだ感じになりそうだから、plopに引き止めてもらうイメージ。終わりたくない。もう一曲。

ESP7組目『FATE BOX』大阪からライドン。彼らの地元でも自主企画に呼んでくれた。この日は札幌で、インブラッド、血を通わせて泣きそうになろうみんなで。

mole8組目『でかくてまるい。』、誰よりまっすぐ、誰より大きい声で歌ってほしい。

カウンター8組目『Atomic Skipper』フロム静岡磐田から初北海道。前日東京で列伝ツアーのファイナルだってのに「出ます!」って。磐田最高だった。札幌もいいよ。

ESP8組目、トリは『YOU SAID SOMETHING』に託します。澤谷さん、いつも本当にありがとう。今のユーセッドで現在地教えてください。絶対行きます。

mole9組目『ビレッジマンズストア』、できれば対バンしたくないって何度言えばわかるんだ。なのにオファーの指が動いてた、畜生、どうなってるんだ!早く帰れ!

カウンター9組目、トリは『Tattletale』に託します。かましますって約束してくれてる。ぶちかましてくれないと嫌すぎる。カウンター、彼らの音楽で終焉するところを想像。

mole10組目、トリはTHE BOYS&GIRLSがやる。

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今回、札幌のサーキットイベントではおそらく初の、狸小路一丁目にある『北のおみやげ館』というお店さんに色々協力いただいて、そこをリストバンド交換の場所に使わせてもらったりする。ああだこうだ話し合い色々進めていく中で北のおみやげ館が出てきて、直接お話をしたりして、是非と言ってくれた。行動範囲は決して広くはないけど、ライブハウスだけじゃないお店や場所が協力してくれることによって、いつもの景色がほんの少しでも違って見えたりするといいな。

あと大事な話もう一つ。『札幌ミュージック&ダンス・放送専門学校』という専門学校に通う学生たちもこのイベントの運営に携わってくれています。これも、「なんか一緒にやりませんか」と話を持って行って、「やります!」って言ってくれて、進んでいること。
表には立たないけれど、アーティストや音楽業界ライブハウス業界を支えるための勉強をしているみんなと、SNSだったり当日の運営もやっていく。
『DO YOU KNOW 2024』のXとInstagramのアカウントよかったらフォローしてくれると嬉しいです。みんな、今月学祭もあってそれの準備もめっちゃ忙しいのに「DO YOU KNOWもいいものにしたい」と奮闘してくれてる。何気ないSNSの発信も小さなアクションも一つ一つが財産になるように、俺も残りの日々でしっかり積み上げていかねばという気持ち。



昨今のチケット論争に乗っかるつもりではないけど、現時点で伸び悩んでるのは事実。IMPACT!とかに比べたら、ちっくしょう〜ってなる。

でも、上に書いた27組、4500円、決して安くはないと承知の上ではありますが、THE BOYS&GIRLS初めてのこの挑戦は、頭からつま先まで血の通った一日になると、そして「この日を知っている」と堂々と言える日になると、自負しております。

前半にも書いたように、この街のライブハウスでこの街のバンドのライブあんま見たことない人には、やっぱ見てほしい。最近ボイガル見つけてくれた人にも。




北海道札幌から来ました。






コメント

  1. 開催まであと一週間と少し、改めてブログを読み返しに来ちゃいました。私もまた知らない土地に知らないバンドを見に行くことに魅力を感じ、何かを信じて遠くの街を目指したうちのひとりでした。ボイガルをきっかけにたくさんの音楽に、街に出会ってきた私にとってこの企画はボイガルそのものといえます。全バンドみてやるの気持ちで向かいます。あーーー!!どうしよう!楽しみ!!!!

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    1. 嬉しいです、ありがとうございます。楽しんでもらえたでしょうか、楽しんでもらえてたら、いいな。

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