夜の冷え

我々THE BOYS&GIRLSにはメールマガジンがあって、ボイガルのメルマガ、その名も「ボイガルのメルマガ」、略してボイマガであります。僕が不定期で配信してます。
主にライブ情報・メディア情報・新着情報などは記載されず、あまりにも一方的で「ブログでいいんじゃない…？」という内容で配信してます。「ブログでいいんじゃない…？」という声がもし上がってきたとしても「いいや違う」の一言で跳ね返す準備はできているという精神で配信してます。

夕方にそのボイマガを配信したんだけど、割と序盤でブログの投稿画面と勘違いしててブログな気で打っていたので、普段こんなことしないけど、転載しときます。

ボイマガ、まだ登録してない人は、ホームページから。無料。


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ボイガルのメルマガ63号
『花粉症の君へ』


2月26日から、ずっと鼻水が出てます。なんなんだろうか。北海道は花粉症がないって聞くけど、ほんとなんだろうか。というかもしかしたら、本州にライブに行ったタイミングで発症したのだろうか。なんなんだろうか。
ワタナベシンゴです、ボイマガ63号。




卒業、転勤、異動、引っ越し、新生活。
あの娘にも、あいつにも、きっと言えないままのことあると思うのね。僕は、未だにあるんです。そんなの毎シーズンあるんだけど、こんな季節は特にそんなことに気づかされる。花粉症のせいなのか季節の変わり目に引いてしまった風邪のせいなのかわかんないけど涙が出たり鼻水がだらだら出てきたりすると、気づかされて、思い出す。忘れたわけではないんだけどね。



でも冬から春になる時期は胸がギュッとなってその「ギュッ」感が僕は好きで、すると新しいものがうまれたり新しい歌が作れたり新しい場所に行けたりするから、春が来そうでよかったなあといつも思う。春が来そうでよかったなあと。





僕は僕以外の人のほとんどのことを知らないから、大抵のことに大抵の人に頑張れしか言えない。きっと頑張ってるんだろうと思うし、お前に何がわかるんだとも言われそうだし、もうこの言葉タブーなのかもしれないけど、じゃあ何も言わないでいればいいかというとそうじゃない。僕の場合はそうではない。全てを把握できずとも何か言いたいから、頑張れしか言えないのだ。




小学校の運動会、名前も知らない青組の5年生の人がリレーの最後の最後で転んだとき、一気に全員に追い抜かれた。そのとき、なぜかわからないけど、「頑張れ」って思った。あの時多分、全校生徒が思った。名前も知らない学年も違う人のことを、頑張れって思った。放送局の人がマイクで「青組さん、頑張ってください！」って言った瞬間、


「「…がんばれー！！！！！！！！」」


って、多分、全校生徒が叫んだ。もう、地響きのようにみんなが。転んだ人、多分10秒くらい立ち上がらなくて、泣いてた。悔しくて泣いてたのか、痛くて泣いてたのかはわからないけど、とにかくみんな、頑張れ！！って叫んでた。ゴールテープの向こうではゴールした人たち喜びもせず、その人に向かって頑張れ！って叫んでた。


ゴールはすぐそこなのにその転んだ人にとってはきっと果てしなく遠く見えたのかもしれないなあ。


僕らはその転んだ人に、手は貸せない。自転車持ってくるのも違う。ゴールテープ、ちょっと手前にずらすのも違う。だったらもう、マインドの話でしかない。僕らが選んだのは、というか選べたのは、「頑張れ」って叫ぶこと、一択。



そしたらその人は立ち上がって、涙ふいて、全力でゴールテープを切った。全校生徒は飛び跳ねて、砂ぼこりがすごかった。その人、笑って他の学年の方を向いて何回かペコッてお辞儀した。その間ずーっと大歓声。名前思い出せないけど当時のその人のクラスの先生が泣いていた。6月10日だ、覚えてる。











言葉にするなら「頑張れ」しかなくて、あの運動会から十数年経つ今も、僕は「頑張れ」しか言えないまま。ただ、「頑張れ」「頑張る」ってめっちゃいい言葉だし、すごく好きな言葉だから、僕はたくさん使うし、使う時は心からの頑張れにしなきゃとも思ってる。心からの頑張れって言ったらちょっと固いかな、なんて言うんだろう、なんか、、ちゃんと僕が思ってる頑張れじゃなきゃだめだと。
あの運動会のとき、絶対たぶん、転んだ人の何かになった気がしたんだよなあ。






だがしかし、頑張るというのは時に受け取り方やその仕方が異なったりするから難しいもので、例えば、最後まで諦めないとかではない気もする。頑張れはきっと、僕らが思ってるよりも穏やかなものでいいのかもしれないなあとも思う。






だから、「もう、頑張れないよ」と言われたら少しでも笑顔で「んだね、お疲れさまだ！！」って返せるようになりたい。そのために、言葉にはいつも思いを、思いにはいつも言葉を、しっかり乗せていられるようにならないとなあと、春の手前で思ってる。

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というものでした。
「頑張れ」は紙一重なの重々承知しているし、言葉にできないときもある。言葉にしてほしいときもある。そのタイミングは、ほぼほぼ当人にしかわからない。だけども、大体は僕、言っていいと思うんだよなあ。決して偉そうにじゃなく、上からじゃなく、一生懸命な人に対して一生懸命考えた末の言葉が頑張れの一言だったなら、いいと思うんだよな。

難しいことだけど。

今日ボロドン行く前に、初めてのお店に入ってみた。お店の中はいい感じ。若い女の先客が2人カウンターにいる。酔っぱらっている。僕はお腹も空いていたしカレーを食べてみた。辛かったけど、おいしかった。
食べてる途中、その2人は店員さんと話してた。店員さんと2人は友達っぽい。店員さんも若い女の人。そしたら、「いやーあのときはマジごめんって！」みたいな話してて。「え、なしたのー？」みたいな。「いや、この前ね、トイレ行く前に吐いちゃって、ぶしゃーって！」「あっはは！」みたいなさ。

さすがに、ズーンってなった。

その他の話も、なんか、「あいつブサイクだよね」とか言ってるし、ズーンってなった。コーヒー飲んでこうと思ったけど、すぐお店出た。





もう、多分行かないなあ。

外に出たら、さっきよりも風が冷たくなってて、コートのモコモコ外してこなきゃよかったなって思いながらノースウェーブ向かった。



さっき生放送終わって、いつものように帰り道。多分お腹空いてたからなんだけど、全然早く歩けなくて、すごいたくさんの人に追い抜かれた。みんなどこ行くのかなあって思って、次追い抜かれたらその人引き止めて「ちょっと僕の話きいてくれません？」って言ってみようかなとか思いながら結局そんなの3歩歩けば頭から消えちゃって。地上に上がるの嫌だなあ絶対寒いなあと思いながら嫌々あがったら、夕方の方が寒く感じて。サブロクの向こうには月があって。電線にうつるヘッドライトは流れ星だと思ったりもして。ヘラヘラふにゃふにゃグラグラしている僕が、溶けだした3月の交差点にできた水たまりをよけて渡るとき、すれ違った男はいいことでもあったのかな、なんだか嬉しそうな顔してて。コンビニでお金をおろして外に出たら、月は右手にあって。


おかあに、CDショップ大賞の北海道ブロック賞を獲ったことじいちゃんに伝えておいてとメールした。多分じいちゃん意味わかんないと思うけど。前に「「うちから芸能人が出た」と喜んでいたよ」と返事がきた。じいちゃんは、入れ歯がないらしい。かっこいいなあ。



今日から札幌もあったかいみたいです。
夜は冷えるけど。















溶けだした3月の交差点にできた水たまりをよけて渡るとき、すれ違った男はいいことでもあったのかな、なんだか嬉しそうな顔してて。

僕はどんな顔をしていたんだろうか。