こんな歌いらないかもしれないけど
お昼の12時に一人でライブをしてきた。5曲。 雨予報はほんの少しだけ力を貸してくれて、ザーザー降りはかろうじて免れた。ぽつり、ぽつりと、少しだけ降っていた。傘を差して聴いてくれてる人もいれば、傘を差さないで聴いてくれてる人もいた。 空は広い。どこにいても本当は、同じように広い。 高い建物の下にいれば見えるものは狭くなって、本当のことを忘れそうになったり本当のことが見えなくなったりするけど、でも最初から最後まで空はきっと広い。 今日歌ってるとき、僕の後ろには道庁のあのレンガがあって、僕の目の前には聴いてくれている人がいて、その向こうには曇り空が続いていた。どこまでも続いてた。僕の声もどこまでも突き抜けて欲しいなと思った。今この瞬間がとても愛しいな、幸せで最高だなって、そんなことを思った。 音楽を始めたこの街で、この街の空の下で、この街の雨の中を歌えるということが、心の中で燦々と輝いていた。映画の中にいるような、最後のワンシーンにいるような、そんな気持ちになった。 どこでだって歌える僕は、誰かのそばには居れなくて。 だけどお願い、せめて僕の音楽よ、どこでだって歌える僕の音楽よ。 雨の日には傘を。涙にはハンカチを。喜びには笑顔を。 そうやって誰かのそばで、お願い僕の音楽よ。