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12月, 2018の投稿を表示しています

こんな一年にしよう

バンドのことで言うと「卒業証書/東京」という2曲の配信リリースに向けての動きと一年の大まかな予定にワクワクしながら2018年が始まり、メンバーの3人がバンドを脱退することが決まって2018年が終わっていった。 事あるごとにイライラしては、事あるごとに言い方がキツいと言われてしまった。 優しいってなんだ、かっこいいってなんだ。答えの出ない自問自答、増える白髪と減る前髪。曲は書けなくなったけど、崩れかける自分を救ってくれた瞬間がいくつもあった。 楽器を持たずに、色んな場所で深呼吸をした。 バンドのことを考えない日はなかったけど、振り返ってみると、ちゃんと立ち止まって深呼吸する時間がはっきりとあってよかったなと思う。捨てれないものが、譲れないものが、はっきりとある。 来年は「こんな一年にしよう」というのを決めない一年にする。思い通りの一年にならないほうが、終わる時にまた始められるパワーになることを知ってる。そりゃあ夢や目標だってあるけど、それよりも、その時々で必死になって、やってくる楽しいも嬉しいも幸せも安らぎも苦しみもちゃんと逃さずに逸らさずに日々を重ねて得るもの失うもののほうが今は大切だ。 こんな一年になったから、そんな一年にしよう。 悲しい思いをさせてしまい、すまなかった。 来年はもっとよろしく。

朝靄が綺麗で

今、北海道を離れています。これから先に起こりうる出来事の可能性を探りながら、見据えながら、考えながら、毎日を過ごしています。昨日は少しお酒を飲みました、そのせいか眠る前に涙が止まらなくなってしまいました。自分でもびっくり。 頭の中では、もう6月が終わりそうです。 3月にワンマンツアー「少年少女の陽炎」があります。3月11日大阪は心斎橋BRONZE、お世話になっている場所。3月19日東京は渋谷CLUB QUATTRO、バンド史上最大収容人数、札幌在住の芋バンドがクアトロなんてと呆れられたって埋めたいのです。3月28日北海道は札幌PENNY LANE 24、二度目の正直だここで決着をつけます。この3本をもって、僕以外のメンバー3人はこのバンドをやめます。あまりにも濃い日々だった。その先は、そっちは任せた、こっちは任せてくれ。 明日25日23時59分まで、イープラスにてチケットプレオーダー受付中です。どうか逃さぬよう応募を。 さあ、その前に僕は舞台があります。 「みみばしる」という舞台で、ゴジゲンという劇団とJ-WAVEというラジオ局の合同企画公演。2月6日〜17日で下北沢本多劇場で16公演、2月23日〜24日で福岡久留米座で3公演、3月1日〜3日で大阪近鉄アート館で4公演、計23公演。こんな貴重な機会を僕に与えてくれた関係者の皆様に心から感謝します。ぜひ見に来てください、僕は、「歌、演奏」という役割で立たせていただきます。この「みみばしる」は監督が松居大悟さん、主演が本仮屋ユイカさん、音楽監督が石崎ひゅーいさんです。僕は音楽監督であるひゅーいさんの作った曲を、歌います。本番までの日々、稽古のたびに東京に飛ぶのはリスクがありすぎるので、僕は来月のどこかのタイミングから東京に住みます。真冬の北海道を1ヶ月半近く離れるのは少し寂しいですが、僕は僕に与えられた素敵な瞬間を逃さないように一生懸命生きようと思います。 それが終わって、すぐ現体制最後のワンマンツアーが始まるというわけです。正気じゃいられないと思っています。今もう既に、少しパンパンになりつつあるような気が自分でもしています。でも、きっと強くなれるような気もしているので、舞台もバンドもフル回転の全速力で取り組もうと思います。 さっき、一人でバッティングセンターに行ってきました。特に意味はない

いいことばかりじゃないけど

3人の脱退を発表してから6日目の夜です。 「ふー。」とひと息つく間もなく時間は流れ、人に会い、言葉を交わし、歌も歌った。長くも感じるし短くも感じるし、まだ6日しか経っていないのかという気持ちともう6日経ったのかという気持ち。お世話になっている方々や先輩後輩、発表前にメンバーの脱退を直接報告できなかった方には大変申し訳なく思っております。この場を借りて。すみません。 改めて、 ケントボーイズとソトムラカイトとカネコトモヤが来年3月をもってこのバンドを脱退します。そして我々はこの4人でできる最後のライブをやることにしました。2019年3月、ワンマンツアー「少年少女の陽炎」を開催します。大阪、東京、札幌の3箇所です、この3本がボイガルの次のライブでありこの4人でのラストランになります。きっと楽しいと思うし、何より、彼らはもちろんだけどこのTHE BOYS&GIRLSというバンドの次のページをめくるということも忘れずに俺はやります。ホームページから、最速の先行受付中です。応募してほしいです、ライブハウスきてほしいです。よろしくお願いします。 さて、正直に書こう。 俺はあと何回「解散ではない」といえばちゃんと伝わるのか、それがわからないのです。わからないからとにかく言い続けるしかないんだけれど、少し疲れてきました。「この4人でなければボイガルじゃない」「3人が抜けるなら実質解散みたいなもん」とか言われるのはまだわかるけど、何でこんなにも、バンドが消滅するのが先行してしまうんだろうか。難しいですね。どこにも書いていないし、どこでもそんなことは言っていないのに。この6日間はそれに思わず磨り減ってしまいそうになり、なるべく色々見たりしないようにしています。 俺はTHE BOYS&GIRLSをやります。 おととい、50回転ズのツアーで前座で弾き語りで出演させていただいた時、「やっぱバンドサウンドいいな」って思いました。心底、羨ましいなと思いました。だからワンマンが終わってもバンドサウンドで音を鳴らすことをなるべく途切れさせたくないなと思いました。しばらくの間はオリジナルメンバーで存在していたボイガルの熱が小さくなっていくまでは隠れていようなど、一ミリも思っていません。それが今の俺の気持ちです。まだ何も終わっていないのにこんなことを言うのはお

話はこのバースの頭に戻る

小学・中学といつも一緒にいたメンバーの中にひろきって奴がいました。ひろきは小学生の頃からずーっと仲良かった友達で、頭も良かったしスポーツも好きで誰からも好かれる奴で少し泣きっぽい奴でした。中3の頃、ひろきだけ違う高校に進むことがわかったとき、何かぞわぞわしたのを今も覚えてます。「俺はN高にはいかないよ、釧路行くわ」と、そう言ってました。俺は、俺たちはずっと一緒だよななんてことを、どこかで思っていたのでしょうか。さみしかったけど、みんなでひろきを応援することにしました。 オンボロの木造、白い息の出る廊下、冬はすきま風に乗って廊下にも雪が降るほどの校舎でしたが、俺たちが中3の頃に新校舎が完成して俺たちは最初の新校舎の3年生でした。卒業までもう少しだななんて外が冷たくなってきた頃、みんなよりひと足早くひろきの合否がわかりました。新しい木の匂いのする新校舎、ひろきだけ職員室に呼ばれます。俺たちは職員室の少し離れたところで、まるで可愛いあの娘を覗き見するようにあいつが出てくるのを待っていました。下を向いたひろきが職員室から一人出てきて、ぱっと天を仰ぎ「…受かったーーー」と言った瞬間に俺たちはまるで、その数年後の未来で駒大苫小牧が甲子園で初優勝した時のようにひろきを囲み腕を上げました。あの時が俺にとって、俺たちにとって、初めての仲間の別れでした。大げさだけど、少なくとも俺にとってあの瞬間がまぎれもない別れだったんです。死ぬわけじゃないのに、会えなくなるわけじゃないのに、家は同じ街にあるのに、まだ日々はあるのに、別れだったんです。 でもそんな別れこそが新しい感情に出会えた瞬間であり、きっかけであり、俺にとって今も宝物です。 体育館だけ旧校舎のままで、卒業式は旧体育館でやりました。新校舎最初の3年生だった俺たちは旧体育館最後の卒業生になり、ひろきとの休み時間も終わりました。それからの日々、当たり前のようにひろきには全然会えなくなったけれどそれで良かったんです。 それから15年近く経ちました。 去年、ENDLESS SUMMER 2017というツアーを回って北海道北見市に行った時のことです。「シンゴ」と呼ばれ振り返ると、そこに居たのはひろきでした。「ひろき何してるんだ、ひろき、こんなところで。元気だったか、ひろき。結婚したんだってな、ガキもいるんだっけか、何してるんだひろ